山の暮らしの食に登場する狩猟などで捕獲された野生のイノシシやシカ、クマなどの肉。
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京都の山里久多の「久多里山協会」が主催する「きのこ観察会」に参加していたミモロは、なめこ汁やアマゴの唐揚げなどのランチを頂き終わった頃、「めったにない鹿の解体作業をしますから、見学しますか?」と協会のメンバーさんから声を掛けられました。
「え~鹿の解体???ちょっと怖いかも…」と言いながらも、ほとんどその現場に立ち会うことができない貴重な機会ということで、「きのこ観察会」に参加した方々といっしょに出かけることに…
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そう、たまたまこの日、鹿が罠に掛かり、それを見つけることができたのだそう。毎日、罠をチェックするわけではないので、例え、なにか野生動物が掛かっていても、すでに死んでしまっていて、ジビエの肉として使うことができない場合が多いとか。
「ドキドキしちゃう…」と車の中で、緊張しているミモロです。
車で向かったのは、里を流れる渓流に掛かる橋の上
そこで車を降りて、橋の下を覗きます。
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「あ、川に鹿が浸かってる…」
清らかな水の流れに、鹿が横たわっていました。
それを川から引き揚げて、用意された解体の場所へ運びます。
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「大きな角のある鹿だね~」と運ばれた鹿を見つめます。
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この日の朝、罠にかかっていた鹿で、前足が折れて苦しんでいたところ。すでに命は助からないことから、首元を切り、止めを…。
その後、内臓を取り出し、血抜きをし、川の水で洗われていたのです。
京都左京区の最北端の山里久多の山にも多くの鹿が生息。農作物や森の木々などに深刻な被害をもたらしています。そんな野生鳥獣の被害防止対策で、ある一定の数の捕獲を、農林水産省も奨励しているのです。
捕獲した野生鳥獣は、ジビエ料理の食材として積極的に利用することを、農林水産省のホームページにも掲載されています。
古くからヨーロッパでは、伝統料理として発展したジビエ料理。
久多でも、鹿やイノシシなどが食材となることも…。でも「めったにないんですけどね~」と。
「わ~お腹の中、キレイになってる~」すでに血抜きも済み、いよいよ解体作業が始まりました。
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作業をなさるのは、山の暮らしのベテランの方。手際よく、まずは、鉈のようなナイフで、皮を剝いで行きます。
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「なんかお肉屋さんみたい」とミモロ。冷蔵庫に下がる牛肉の切り分けを思い出します。
初めは、少し遠くから見ていたミモロも、すぐ近くでお肉になる様子を興味津々で見つめます。
参加者の中には、小学生も…でも、怖がったりせず、ミモロ同様、じっと作業を見ていました。さすが自然好きの子どもは、虫や爬虫類、野生動物にも驚くことはありません。
「あれ足の部分ですね、オーブンで焼いたら美味しいかも…」と、周囲から声が…。
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脂身が少なく、ヘルシーと言われる鹿肉。
実は、日本でも「もみじ」と呼ばれ、江戸時代には、食べられていたのです。ちなみにイノシシはご存じ「ぼたん」、馬は「さくら」。植物の名前を付けて、肉食が禁止されたいた時代にも食べていました。
「あの部分、美味しそうだよ~」とミモロ。
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「よかったら、持っていきますか?」と。
「え~いいんですか?でも、あの~どうやって食べるんですか?」と、すでに食欲に走るミモロ。
「今日はまだ食べないで、ビニール袋で密閉して、冷蔵庫で少し熟成させてから、焼いたり、汁にしたり…」と。
ミモロは、特に食べやすい部分を少し分けて頂きました。
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「ところで、剥いだ皮は、どうするんですか?」と。
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鹿皮は、軽く、ソフトで耐久性にも優れた革として、バッグや靴、コートなどに使われる高級素材です。
「木こりさんや、山伏さんが着てるよね~」とミモロ。
「はい、そうですね~でも、それには、特別の加工を施さないと…。ここでは、土に埋めます」と。
「あの~頭の部分はどうするんですか?」とさらに聞くミモロ。
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「角は、切って、ナイフの軸などの道具に加工したりもしますよ」と。
「あの~剥製にしたりするんですか?」と。
「う~それもお金が掛かりますからね~。すでにいくつかあるし…」と。
頭の部分も土にしばらく埋めておくと、皮や肉などの部分が溶けて、骨だけになり、それを壁の飾りにすることもあるのでそう。
さて、この解体作業をずっと見つめ続けられたのは、全く臭いがしなかったから…。
「クンクン…なんにも臭わない…」作業していた手を嗅いでも、全く臭いません。
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川の水が、臭いも洗い流したのでしょうか?
見学していた方々もお肉をお土産に頂き、嬉しそう。
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「本当に珍しいもの見学させていただき、ありがとうございました~」とお礼を言って、その場を後にしました。
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「山の暮らしって、いろいろなことするんだね~」と。野生の命を大切に感謝しながら、頂きましょう。
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初めての体験…山の暮らしの奥深さを感じます。
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