「なんて素敵なノートなんだろ???」とミモロは、美しい表紙のノートに見惚れます。
ここは烏丸通と寺之内通の交差点の西側にある「リエノ」というノート専門店です。
「あれ~何度もこの前を自転車で通っているのに気がつかなかった」と首をかしげるミモロです。
実は、お店がオープンするのは、金曜から日曜の週末だけ。きっとミモロは平日に前を通っていたのでしょう。
ドアを開けて店内に進むと、そこはモダンな雰囲気のデザインを纏った美しいノートが種類豊富に並んでいます。
文房具が大好きなミモロ…「こういう素敵なノートに何を書いたらいいかな~」とあれこれ想像します。
「いらっしゃませ~」と奥から笑顔でいらっしゃったのは、このお店の創業者であり、デザイナー、そして書籍の編集者でもある神田樹希(かんだ たつき)さん。
「あの~どうしてノートのお店始めたんですか?」とミモロはストレートに尋ねます。
「それはね…」と、ミモロをやさしく抱っこしながら、お話をしてくださいました。
神田さんが、デザイン事務所を創業したのは26歳の時。さまざまなお仕事をなっていた時、ずっと疎遠になっていたお父様が亡くなります。遺品の中に見つけたのが、黒い表紙のノート。そこは、今まで知らなかったお父様の生きた軌跡を読み取ることができたそう。
「今まで、ほとんど僕のことを気にかけない人だと…だから自分とは関係ない人だって思うようにしてたんです」と神田さん。
「でも…何冊もあるノートの中に、僕が病気をした時期のものを見つけると、そこに『たつき、入院…』と書かれていました。たったそれだけの言葉だけど、父親が僕のことを気にかけてくれていたことを知りました。父親の文字…短い言葉…それに僕は胸が熱くなりました…。もし、そのノートに出会わなければ、ずっと父親のことを恨んでいたかもしれない…」と。
このお父様のノートとの出会いが、その後の神田さんの人生に大きな使命をもたらすことになるのです。
それは「紙に文字を綴ることの大切さ」を多くの人に感じてもらうこと。
最近の人とのコミュニケーション手段は、SNSやメールなど、スマホやPCが主流です。でも、それは簡単に削除できます。
いろいろなメールも、一度読んだら、ゴミ箱に…そしてゴミ箱を空にすることで跡形もなく消えてしまいます。
「紙に文字を綴るというのは、時を綴り、それを未来に残すことになるんです」と。
「そうだよね~ミモロのブログだって、あと何年か経ったら消えちゃうかもしれない…」とミモロは寂しそうにポツリ。
「今、感じていること、思っていること、なんでもいいんです。それを短い言葉でもいいから、紙に綴ることがすごく大切になるんですよ」とミモロを見つめて話す神田さん。ノートの制作と販売と共に、多くの人に「書く」ことの素晴らしさを伝える活動を奥様と共になさっているそう。
「自分の思いを綴るなら、ちょっと特別なノートがいいなぁ~。ミモロらしい感じの…」と目を輝かせるミモロ。
「そうですね~その人だけの特別なノート…ここにあるノートはそういうノートなんですよ。厚い表紙で紙も上質のものでできています」と。
クラシックな模様から、モダンなデザインまで、老若男女に関係なく、その人の感性で選ぶノートです。
さらに自分のため、またプレゼントとして、ノートのセミオーダーもできます。
表紙のデザインや紙を選んだり、イニシャルを入れたり、また表紙裏の紙の色も選べます。
「あ、紙やノートの中のスタイルも選べるんだ~」
無地のもの、横罫があるものなど…。
もちろん、ここにあるのは、特別感あふれるノートですから、価格2000円以上になります。
「でも、ちょっと高い値段のノートだから、最後のページまで大切に使いたくなるね~」とミモロ。
表紙にメッセージが入ったノートも…これは贈り物にピッタリ。
「ノートには、自分が幸せを感じたことなどを綴るハッピーノートなんか作ると、読み返せばポジティブになって、パワーが出ますよ」と神田さん。
若い頃に失敗したこと、悩んだことなどを綴ったノートを今読み返すと、そんな自分に笑ってしまうこともあるという神田さん。でも、その時の自分も、今の自分の一部…ありのままの自分を認め、生きていることへの感謝も生まれるそうです。
「ミモロもノート綴ろう…」永遠の子ネコのミモロですが、それなりに成長しているのでは…。
ミモロ、食べたものだけ書くんじゃだめよ…「え?そうじゃ、体重も…」まぁそれなりの記録にはなるかもしれませんが…。
ぜひ、一度、お店を訪れて、自分のための美しいノートを見つけてはいかがでしょ。
オンラインショップでも一部購入可能です。
*「lleno(リエノ)」京都市上京区相国寺門前町647 ☎075-451-5401 営業時間12:00~18:00 金土日・祝日のみ営業
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