友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

自然エネルギーへの切り替え

2009年12月13日 22時01分20秒 | Weblog
 高校の時の友だちに会うことが目的だったので、『地球温暖化を防止するために』と題するセミナーに強い関心があったわけではなかった。しかし、参加してよかったと思っている。それにしても私たちの時代なら、若者たちが大勢集まって体制批判が熱く叫ばれたものだが、若い人は2人しかいなかった。参加者のほとんどが50代60代の年寄りで、未来の心細さがここに表れてきているように思った。

 講師を務めたのは、日本環境学会会長で自然エネルギー市民の会代表の和田武さん。和田さんは産業革命以後、地球温暖化がいかに急激に進んでいるかを、写真やグラフで説明していった。このまま温暖化が進めば、シベリヤの永久凍土が解凍を早め、あるいは海水温度が上がっていくと、押さえられているメタンガスが噴出してくる。「そうなってはもう終わりです。手の打ちようがない」と言う。2000年から2005年の世界のCO2排出量は年間264億トンで、そのうちの114億トンが自然界に吸収されているそうだ。

 そこで和田さんの結論は、残りの150億トンを無くすことだと言う。どうやって無くすのか?CO2排出量の約80%は産業界が占めている。家庭でどんなに省エネに取り組んでも20%の努力に過ぎない。そのエネルギー供給の70%が石油と石炭で、日本は原子力発電へシフトしようとしているが、欧米では原子力発電は危険が大きすぎると減らす方向へ動いている。原子力発電をやめて、自然エネルギーへ切り替えるべきだというのである。

 自然エネルギーの代表的なものは、太陽光発電、風力発電、地熱発電、海流発電がある。和田さんは地域住民が一体となって、風力発電や太陽光発電に取り組んでいるドイツやデンマークの例を挙げ、市民・地域が主導する再生可能エネルギー普及は地域社会を破壊せず、豊かにすると力説する。「原発拡大は危険増大と市民間の亀裂をもたらすが、市民参加による再生可能エネルギー普及は、民主主義の発展、地方の自立と活性化を生み出し、平和で持続可能な社会の構築につながる」と述べていた。

 太陽光発電では装置の耐久性やコストが、風力発電では低周波や風の流れという新たな公害、地熱発電や海流発電でもそのために起きる2次的な問題など、絶対にこれならよいというものはないように私は思っていたが、和田さんに言わせれば、だから市民が取り組むことで問題の解決につながっていくのだそうだ。企業が行なえば、利益が優先されるけれど、市民が取り組めば、安全と納得が保障されると言うのだ。

 こんなことは私の夢でしかないけれど、エネルギーも上水も下水も、できれば小さな地域社会で生み出し、使い、処理する方がいいと思っている。たとえば、エネルギーにしても地域社会で太陽光や風力で発電する。だからダムの必要な水力発電や火力発電ましてや原子力発電などはいらない。そうすれば長い送電線も不要だ。どれくらいの単位が一番効率の良いものか分らないが、これまでは大きい方が効率的だと思われてきたけれど、そうではない社会へ切り替わる時が来ている。そんな気がしてならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする