菅直人新内閣が発足した。衆議院選挙を経ないで新内閣がスタートするのは、批判してきた自民党と一緒だ。それでも世論調査では菅新政府への期待は大きいものがある。まだ、非自民を求める気持ちが国民の間では強いということだろう。新内閣の顔ぶれが発表されたけれど、鳩山内閣の閣僚が11人も残っているから、生まれ変わったという印象はない。菅さんとしてはむしろ鳩山内閣を受け継いでいることをアピールしたいのかもしれない。
菅さんの初当選の頃を中心に、フィルムに残る若い頃を紹介していたけれど、何だか懐かしい気がした。私よりも3歳下だからまさしく団塊の世代だ。別の言い方をすれば、全共闘世代である。あの頃はこういう若者がいたよなと思う。権威に逆らい、新しいスタイルを模索する新人類である。菅さんはどうして市民運動に興味を持ち、どうして市川房枝さんの運動に参加したのだろう。理由は分からないけれど、長い間取り組んできたことが実を結び、市民運動からの初首相となった。
人には運不運があり、地道に努力していれば誰でも首相やトップになれるわけではないけれど、逆に言えば、何も努力していなければ目の前のチャンスさえつかめない。菅さんは、鳩山さんや麻生さん、あるいはその前の安倍さんや小泉さんのように、政治家の2世3世ではない。なるべくしてなった首相ではないから、人々は余計に親近感を持つのだろう。やればできる、手本を菅さんが示したならそれだけで、教育的な価値は滅茶苦茶大きいと思う。
菅首相が記者会見で「不幸を無くすことが政治の役割」と言ったことには共鳴したけれど、普天間や経済再建の問題では誠に歯切れが悪かった。普天間の問題では「副総理でありながら、何も発言しなかった」とか、「発言しなかったから責任はない」ということではないし、ましてや「発言せずにじっーと、首相の座を待っていた」ということも穿った見方ではないだろうか。菅さんは発言しようにもその中身がなかったのだろう。「安保条約が破棄されることになってもいい」と言うほどの根性もなかったと思う。
「左翼」市民運動家からの初の首相らしく、堂々と自己の考えを述べればよいと私は期待している。けれど、政治の中に入るとそんな自分の考え方が通用しなくなってしまうのだろうか。今晩、NHKの歌謡番組を見ていたら、守屋浩さんが出ていた。歩くこともままならないような人をよくまあ出演させると驚いた。私が中学何年の頃だったのだろう。守屋浩さんが歌う『僕は泣いちっち』という歌がよくラジオから流れていた。「僕も行こう、あの子の住んでる東京へ」と何度か繰り返して歌っているうちに、恋人は東京にいて、自分は恋人に逢いに行くんだと仮想世界を作り上げていたものだった。
「よい日本、よい世界をつくる」と菅首相は演説していた。その具体的なイメージやそこに至る道筋について、大胆にそれでいて具体的に話して欲しいと思う。そんな理想論は政治ではないと言う人には言わせておけばいい。せめて守屋浩さんのようにはならないで欲しい。ガンバレよ、菅さん。
菅さんの初当選の頃を中心に、フィルムに残る若い頃を紹介していたけれど、何だか懐かしい気がした。私よりも3歳下だからまさしく団塊の世代だ。別の言い方をすれば、全共闘世代である。あの頃はこういう若者がいたよなと思う。権威に逆らい、新しいスタイルを模索する新人類である。菅さんはどうして市民運動に興味を持ち、どうして市川房枝さんの運動に参加したのだろう。理由は分からないけれど、長い間取り組んできたことが実を結び、市民運動からの初首相となった。
人には運不運があり、地道に努力していれば誰でも首相やトップになれるわけではないけれど、逆に言えば、何も努力していなければ目の前のチャンスさえつかめない。菅さんは、鳩山さんや麻生さん、あるいはその前の安倍さんや小泉さんのように、政治家の2世3世ではない。なるべくしてなった首相ではないから、人々は余計に親近感を持つのだろう。やればできる、手本を菅さんが示したならそれだけで、教育的な価値は滅茶苦茶大きいと思う。
菅首相が記者会見で「不幸を無くすことが政治の役割」と言ったことには共鳴したけれど、普天間や経済再建の問題では誠に歯切れが悪かった。普天間の問題では「副総理でありながら、何も発言しなかった」とか、「発言しなかったから責任はない」ということではないし、ましてや「発言せずにじっーと、首相の座を待っていた」ということも穿った見方ではないだろうか。菅さんは発言しようにもその中身がなかったのだろう。「安保条約が破棄されることになってもいい」と言うほどの根性もなかったと思う。
「左翼」市民運動家からの初の首相らしく、堂々と自己の考えを述べればよいと私は期待している。けれど、政治の中に入るとそんな自分の考え方が通用しなくなってしまうのだろうか。今晩、NHKの歌謡番組を見ていたら、守屋浩さんが出ていた。歩くこともままならないような人をよくまあ出演させると驚いた。私が中学何年の頃だったのだろう。守屋浩さんが歌う『僕は泣いちっち』という歌がよくラジオから流れていた。「僕も行こう、あの子の住んでる東京へ」と何度か繰り返して歌っているうちに、恋人は東京にいて、自分は恋人に逢いに行くんだと仮想世界を作り上げていたものだった。
「よい日本、よい世界をつくる」と菅首相は演説していた。その具体的なイメージやそこに至る道筋について、大胆にそれでいて具体的に話して欲しいと思う。そんな理想論は政治ではないと言う人には言わせておけばいい。せめて守屋浩さんのようにはならないで欲しい。ガンバレよ、菅さん。