暑い日が続いている。市の体育館で毎週運動をしている人から、「体育館へ出かけたら、ロビーのイスが全て撤去されていた」と聞いた。理由は「この暑さを避けるため、人々がやって来て涼むから」ということらしい。涼むために体育館に来られては、本来の目的に適さない使用になるというのだろう。特に午前中は年寄りが多いそうで、明らかに涼むために来ているから追い出すためにしたということのようだ。
体育館はスポーツで汗を流す人のための施設であることは間違いない。それでも事務室やロビーはスポーツ施設ではないけれど、暑い時は冷房が、寒い時は暖房が、効いている。人の出入りに関係なく、一日中動かしている。公共施設はそうあるべきだろう。「家では暑くて居られない。冷房代の節約にもなるから公共施設で過ごそう」という発想は間違っていないだろう。節電が強く叫ばれた時、公共施設やデパートで過ごすのがよいと評論家は言っていた。
公共施設ほど広く扉を開けておくべきなのに、管理する側に立つとどういうわけかケチ臭くなる。私が住むマンションは隣りに私立の幼稚園がある。マンションの向かいには大型スパーマーケットの駐車場があるので、お母さんたちはこの駐車場に車を止めて、マンションを横切って幼稚園に子どもを連れて行く。「私有地を無断で使わせていいのか」と目くじらを立てる人がいる。子どもの声がウルサイと怒る人もいる。人の往来があった方が安全だろう。子どもはウルサイが心温まる。邪険にするより、挨拶の一声で明るくなるはずだ。
尖閣諸島や竹島の問題、慰安婦や戦時中の強制労働など、歴史認識は大きく違う。韓国ソウル高裁は10日、強制労働で日本企業に賠償を命じる判決を下した。私の年上の友だちは、「既に賠償はしているのに、あいつらは意地汚い」と言い、「日本人に比べて、頭脳も品格も落ちる」とまで言う。「技能オリンピックでメダルが一番多かったのは韓国で、日本は4位でしたよ」と言えば、「たまたまですよ。リストラされた日本人の優秀なのを韓国に連れて行ってしまったからです」と譲らない。
相手が悪い。相手がバカだ。そんなことばかり言っていても、仲良くなれない。相手のよいところを見つけ、相手に敬意を払う気持ちがなければ、人も国もうまくやっていけない。世界を旅してみれば、人間に優劣など無いことが分かる。ケンカするよりも仲良くする道を見つけて欲しいと思う。