18日あたりから、夜は涼しくなった。朝方はまるで秋になったかのような冷たい風が吹いてくる。暑い夜はタオルケット1枚で寝ていても、足を外に出していた。しかし、このところは足の先まで包み込むようにして寝ている。そんな朝早く、電話が鳴った。参院議員選挙で投票する人がいない。どうしたらよいかというものだった。確かに誰に投票してよいか、迷う。
今朝の新聞の社説は新聞社の立場を表している。読売新聞は明確に「ねじれ」解消の選挙と位置づけ、「決められない政治」に陥った一番の要因が「ねじれ」にあったと述べている。さらに、「読売新聞は20年前に憲法改正試案を発表しております」という。朝日新聞は2段構えで、1つは迷っている人に対して、判断材料を見つける方法を紹介している。2つ目は自由を守る不断の努力の必要を説く。中日新聞は「子育てと介護」「TPP交渉」の2つを取り上げ、「市民が動くことで、政治は変わる」と述べている。
日本一の購読者数を持つ読売新聞は改憲派で、中日新聞は「憲法を守る立場にある」と以前から主張、朝日新聞も護憲派のようだ。朝日新聞の2つ目の社説はかなり観念的だが、事例は具体的だ。公示日に、安倍首相が演説をしようとしていた福島駅前に、「総理、質問です。原発廃炉に賛成?反対?」と書かれたA3判のボードを抱えた女性がいた。女性は「警察の者」と名乗る男性と自民党国会議員の秘書ら4人に囲まれた。「警察の者」に、ここは質問の場ではない、ボードを渡してと取り上げられ、名前や住所、連絡先を問いただされた。また、東京の吉祥寺で、民主党の候補者が「うるさい」と叫ぶ女性に殴られた。そんな事例をあげて、「憲法12条に、自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と結ぶ。
それでも明日の参院選挙の結果は、自民・公明が議席の過半数を獲得するだろう。私の1票も役には立たないだろ。それは仕方がない。たとえ、投票率が50%を割り、こんな選挙で当選なのかと嘆いても始まらない。それが現実で、それを改めるためには「不断の努力が必要」なのだ。まだまだ先は遠いが、人は理想に向かって歩み続けるだろう。私はそう信じている。