友々素敵

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豊明市内で井戸掘りを見る

2013年07月05日 20時18分00秒 | Weblog

 「豊明市内で井戸を掘るから見学したらどうか」と、手押しポンプを製造している社長から提案があった。私たちは水圧を用いて井戸を掘っているが、粘土質の土地や丸太石のあるところでは掘ることが出来ない。メンバーの何人かで、千葉県にある上総掘りの伝承館まで勉強に行ってもらったこともある。そのおかげで、水圧だけの掘り方ではなく、鋼鉄管を細工して、上から叩き込む道具や回して掘る道具なども作った。けれども今のところどの道具も役に立っていない。

 豊明市内で井戸を掘る人たちは横浜から来ると言う。どんな道具で、どんな風に掘るのか、ぜひ知りたいと思い、今日出かけた。作業は朝9時から始めるというから、前日に来て1晩泊まっているのだろうと思っていたら、「今日の午前4時に出て来た」。そして、「手押しポンプを取り付けて、今日中に帰る」と言う。『あまちゃん』風に言うなら、「じぇじぇじぇ」である。私たちは午前9時きっかりに着いたけれど、既に若者ふたりが仕事の準備にかかっていた。相模ナンバーの車から道具や塩ビ管を取り出し、モタモタした様子は無い。

 依頼主が「この辺りで」と言った場所をスコップで少し掘ると、すぐにアメリカ製の道具とやらで掘り始めた。「今日は車の都合でふたりだが、本当は最低でも3人いた方がいい」と言う。アメリカ製のスコップに85センチほどのステンレスの柄をつない掘り進めて行く。柄の上部はT字型になっていて、これを回せばスコップの刃先が土を削り取るというわけだ。「いい気になって、力任せに回せば、柄が折れたり、刃がこぼれたりするので、その手加減が大切」とコツを教えてくれる。

 掘り始めたところは粘土質で、刃先をいろいろ変えては少しずつ掘っていった。「一度やってみますか」と親切に声をかけてくれるが、作業が出来るスタイルではなかったので遠慮させてもらったけれど、彼らにしてみれば少しは手伝って欲しかったかも知れない。なるべく作業の邪魔にならない位置で見守り、時々写真を撮らせてもらったが、本音を言えば「若い人は馬力が違うねえー」である。私たちなら、少しやっては休み、ああだこうだと口ばかり動かすのに一向に身体が動かない。

 お昼に見学を終えて帰って来てしまったが、夕方、もうそろそろ完成かなと思って現場に行ってみた。既に手押しポンプが据付けられ、周りもきれいに片付けられて、誰もいない。晩ご飯は横浜で食べているかなと思う。「今度、水圧で掘る方法を教えてください」と言う、爽やかな青年だった。

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