友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

男の哀歌

2015年09月09日 16時13分16秒 | Weblog

 心配した台風18号は雨も風もないまま通り過ぎた。午前11時、名古屋市の東部の空は明るかった。風もなく、このまま何もないのだろうかと思っていると、名古屋駅辺りが見えなくなった。するとこの辺りも雲の中に入ったような状態になり、雨が降ってきた。風も出てきた。それでも長くは続かず、あっという間に雲が切れ、青空まで覗くようになった。午後2時、風はなく、太陽の光が降り注いできた。

 台風が近づいてきていた昨日、ゴーヤのカーテンを外し、雨の中だったけれどルーフバルコニーの排水口の掃除もした。植木鉢はそのままで、倒れるほどの強風なら仕方ないといつものごとく中途半端な台風対策だ。不思議なことは台風に備えて作業した時はほとんど被害がない。「どうせ来ないし、来てもたいしたことなど無い」と、心の中では思っているが、それでも出来る対策だけはしている。

 日産自動車の矢沢永吉さんのコマーシャルがいい。「2種類の人間がいる。やりたいことをやっちゃう人とやらない人。誰かのいうことを素直にきいていれば、今よりずっと楽だったかも知れない。それでも確かなことは、やりたいことをやっちゃう人生の方が間違いなく面白い」。ハチャメチャな矢沢永吉らしいと思ってしまうが、それは歌のスタイルからの連想で、実人生を私はよく知らない。けれでもきっと、中年以上の男たちはかなり共感しているはずだ。

 20代30代の我武者羅に生きている男たちは、「中年男は勝手なことばかり言う」と思うだろう。やりたいことがやれるような社会ではないし、やりたいことをやって自滅していった先輩たちを見ているから、ウソっぽく聞こえるだろう。中年を過ぎた男たちは、実際はやりたいことは出来ないままだったからこそ、コマーシャルの言葉に心打たれる。人生は失敗の連続であり、恥の上塗りばかり。だから、「やりたいことをやっちゃう人生の方が間違いなく面白い」と開き直れるのかも知れない。

 男たちはそんな風に自嘲的に、何も出来なかった人生を振り返るけれど、女たちはどんな風に人生を感じているのだろう。台風は去ったが、風が未練がましく吹いている。男の哀歌のように。

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