友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

川島なお美さんの逝去を悼んで

2015年09月25日 16時07分44秒 | Weblog

 女優の川島なお美さんが胆管がんのため亡くなった。病室のベッドで撮ったものだろう写真が公開されていたが、54歳とは思えない少女のような表情だった。いつだったか、舞台に復帰するというので、記者たちに囲まれて質問を受けている映像が流されたが、見るからに痩せていた。その時よりももっと痩せていたのに、とても可愛い表情だった。名古屋の中村高校から青山学院大学に進み女優になったが、結構ズバズバものを言う人の印象がある。

 一世を風靡した映画『失楽園』は黒木瞳さんの主演だったが、テレビでは川島さんが演じて話題になっていたのに、黒木ファンの私は残念ながら見ていない。54歳はあまりにも若すぎる。まだまだ女優として、充分に演技できるはずだから、「悔しい」と思う気持ちはよく分かる。けれども、人にはそれぞれ背負い込んだ運命がある。

 先日、長女のダンナと話していたら、彼は経済学部の出身らしく、「経済が伸びないのは需要がないからです」と言う。「どうして需要がないか?」と聞けば、「満ち足りてしまっているから」と教えてくれた。先進国の人口は伸び悩んでいるし、給与は上がらないから、日常の必需品以外に買いたいものがない。どこの国も経済成長は鈍い。中国はアメリカのボーイング社から飛行機を300機購入するが、労働賃金が安かったから成長できたが、企業はもっと安いミャンマーへ移ろうとしている。

 「安く仕入れて高く売る」資本主義の原則が崩れてきているのはどうしてなのだろう。安倍首相は今後の政権運営について、「アベノミクスは第2ステージへ移る。目指すは1憶総活躍社会」と夢を語る。そして新たな3本の矢として、強い経済、子育て支援、社会保障を挙げた。さらに「GDPを600兆円にする」と数字を示した。選挙では女性たちが投票する視点はこの3点に尽きるそうだから、安保関連法案で落ちた支持率の帳消しを狙っていることは間違いない。

 社会もまた、人の運命のようなものを背負っているのだろうか。華やかなうちはみんながちやほやしてくれるが、末期になると見向きもしない。死を前にしても可愛い少女でいられるのだろうか。

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