朝から強い風が吹いている。午後からは時々、凄まじい勢いで吹き付けるので、咲き誇ったペチュニアがちぎれそうなくらいだ。どうしてやることも出来ず、申し訳ない気持ちで窓の外を眺めている。もうすぐ「秋分の日」になるのに、涼しい秋がやって来るのだろうか。
国勢調査の用紙を配ってきたのは、知り合いの役場の女性だった。「今年はコロナ禍の影響で調査員を務めてくれる人が少なくて、市役所の職員が駆り出されている」と言う。「コロナ禍で出歩くことも出来ず、お父さんも『気が滅入る』と言っていたよ。どうしている?」と話すと、「猫とじゃれ合うか、ゲームばかりです」と言う。
若い女の子がなんとまあ―寂しいことだ。コロナ禍で生活のスタイルが変わってしまったようだ。けれども人類は、何度もこうした危機に出会ってきたはずだ。今日のように世界中の情報を手にしていなかった時代は逆に、これほどの危機感は無かったかも知れない。人類は消滅するまでは生き続ける運命にある。そう思えば気楽なものだ。
「ジャパンライフ」の元会長らが逮捕された。債務超過を隠し、信頼関係を築いた顧客に高額商品を繰り返し売りつけた詐欺容疑である。信頼を得るために政府主催の「桜を見る会」招待状が宣伝に使われたが、普通の人なら信用して当然だろう。巨額な金を投じた人たちも、「儲かる」と欲があったはずだ。どうして人は金に目がくらんでしまうのかと思うが、私も目の前で金を見せられたら、きっと飛び付いてしまうだろう。コロナ以上に金は恐ろしい。