「君はどう考えているの。司法の公判が進んでいる時、立法府がいろいろ議論すべきだと思っているの」。6日の初公判の後の記者会見で、小沢一郎さんは質問した記者に厳しい顔でこう切り替えした。質問した記者は震え上がって黙ってしまったのだろうか。ハッキリと「国会でご自分が釈明されることがよいことだと思います」と言えばよかったのにと、テレビを見ていてそう思った。小沢さんは「三権分立をどう考えているの。よく勉強して筋道を立てた質問をしてください」とまるで質問が間違っているような印象を与えている。記者が黙れば、だから記者なんてものは勉強もせずに思い付きばかりで質問していると言わんばかりだった。
時々、質問する記者に逆に質問を小沢さんは浴びせるけれど、そのこと事態はいいじゃーないかと私は思っている。確かに記者の質問を聞いていると、なぜそういう質問をするのか、その背景に何があるのか、さっぱりわからないような内容の乏しいものもある。質問は自分の考えを整理するためのものだろう、そして同時に相手の考え方や矛盾を問い、問題の本質へと迫るために行うものだと私は思っている。だから、逆に問われて答えられないような質問をしてはダメだ。三権分立をどう考えているのとの問いの裏にあるのは、政治が司法に圧力をかけたりするのはいけないでしょうというものだ。誰もが思っている当たり前のことを前面に押し出し、納得させるやり口だ。
三権分立はそれぞれが独立してなければならないという原則である。しかし小沢さんの論理は国会で説明すると独立が侵されると勝手に飛躍して解釈している。それが自分を守るための戦術だからだろう。相手が納得するような当たり前のことを持ち出し、だから国会では説明する必要はないのだとさらに強引な解釈を押し付ける。先回、新人議員が決算の審議で反対意見を述べようとしたところ、新人議員は予算審議をしていないのだから、決算の審議はできないと、いかにも議会のルールにあるようなことを言って、当局は新人議員に圧力をかけてくる。小沢さんの思考形態も議会事務局の役人の思考形態もよく似ている。
いかにも自分は何でも知っているが君たちは何も知らないのだぞとまず脅す。ケンカの常套手段である。ひ弱だった私に義兄が教えてくれたのは、先手必勝のケンカのやり方で、まず相手が思ってもいないうちに急所を攻撃せよというものだった。私が知っている老人も、役所を相手にケンカを売るのが得意だった。役所に乗り込んでいってまず大声で怒鳴り散らすのが常だった。それで課長なり助役が出てくると、これに対しても調べていた弱点を並べて大声で罵倒する。そんなケンカをよくしていた。小沢さんの記者会見をテレビで見ていて、その老人のことを思い出した。
自分の考えが間違っていなければ正々堂々と議論すればいい。大声で相手を恫喝しなければならないのは、自分の考えに自信のない証拠だ。小沢さんも自分の考えが正しいのであれば、いつでもどこでも堂々と述べればいい。それが出来ないのは不安があるからだと誰もが思うだろう。
時々、質問する記者に逆に質問を小沢さんは浴びせるけれど、そのこと事態はいいじゃーないかと私は思っている。確かに記者の質問を聞いていると、なぜそういう質問をするのか、その背景に何があるのか、さっぱりわからないような内容の乏しいものもある。質問は自分の考えを整理するためのものだろう、そして同時に相手の考え方や矛盾を問い、問題の本質へと迫るために行うものだと私は思っている。だから、逆に問われて答えられないような質問をしてはダメだ。三権分立をどう考えているのとの問いの裏にあるのは、政治が司法に圧力をかけたりするのはいけないでしょうというものだ。誰もが思っている当たり前のことを前面に押し出し、納得させるやり口だ。
三権分立はそれぞれが独立してなければならないという原則である。しかし小沢さんの論理は国会で説明すると独立が侵されると勝手に飛躍して解釈している。それが自分を守るための戦術だからだろう。相手が納得するような当たり前のことを持ち出し、だから国会では説明する必要はないのだとさらに強引な解釈を押し付ける。先回、新人議員が決算の審議で反対意見を述べようとしたところ、新人議員は予算審議をしていないのだから、決算の審議はできないと、いかにも議会のルールにあるようなことを言って、当局は新人議員に圧力をかけてくる。小沢さんの思考形態も議会事務局の役人の思考形態もよく似ている。
いかにも自分は何でも知っているが君たちは何も知らないのだぞとまず脅す。ケンカの常套手段である。ひ弱だった私に義兄が教えてくれたのは、先手必勝のケンカのやり方で、まず相手が思ってもいないうちに急所を攻撃せよというものだった。私が知っている老人も、役所を相手にケンカを売るのが得意だった。役所に乗り込んでいってまず大声で怒鳴り散らすのが常だった。それで課長なり助役が出てくると、これに対しても調べていた弱点を並べて大声で罵倒する。そんなケンカをよくしていた。小沢さんの記者会見をテレビで見ていて、その老人のことを思い出した。
自分の考えが間違っていなければ正々堂々と議論すればいい。大声で相手を恫喝しなければならないのは、自分の考えに自信のない証拠だ。小沢さんも自分の考えが正しいのであれば、いつでもどこでも堂々と述べればいい。それが出来ないのは不安があるからだと誰もが思うだろう。