風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

参院選(3)細部に宿る

2010-07-10 10:40:53 | 時事放談
 昨日の日経新聞朝刊一面には、民主苦戦の文字が躍っていました。内閣支持率は、発足当初の65%超から45%に、一ヶ月余りで急落しており、趨勢としてはその通りなのでしょう。消費税増税をすぐにでも実行するかのように受け止められたからではないかと、さすがの菅さんも認めていましたが、それだけではなく、菅さんの一見穏やかな表情とは裏腹に、時折見せる感情的に激しやすい性向や、クリーンで新しい政治を標榜しながら、かつての自民党以上に強引な国会運営など、短期間ではあっても垣間見えた民主党のいわば二面性が、気分の高揚に水を差したのではないでしょうか。しかし接戦であることには変わりなく、選挙は水モノで、この時期にこうした報道があると、支持者・不支持者にどんな微妙な影響を与えないとも限らず、結果は蓋を開けてみなければ分かりません。
 前回のこのブログは、主要な政策では大同小異にも係わらず、とりわけ第三極には大同団結できない不甲斐なさを嘆いたものでした。マニフェストは、他党との違いを際立たせるべく、互いに表現に工夫を凝らしているのは認めますが、そもそも人気取りが使命で、お化粧をして素顔を取り繕っているというのが実相ですし、実際にマスコミがよってたかって喧伝するお陰で、税・財政、成長戦略、年金・医療・介護、子育て・教育、政治・行政改革といった主要な争点における公約や宣言は、どれもこれも角が立たない似通ったものにならざるを得ません。ただでさえ政党が多くて、いちいち見比べるのは嫌になりますし、漫然と見ているようでは相違は俄かには判然としません。
 ここは一歩引いてみて、むしろ人目につかない政策や、マニフェストの中で明らかにしていない政策に目を向けてはどうでしょうか。「神は細部に宿る」と言うのは、もとは建築やインテリア・デザインの世界での価値観だそうですが、政治の世界でも、おそらく二大政党制のように相互に政策が似てくる場合には尚のこと、余り気にしそうにない細部にこそ、党としての体質や組織の本質が現れるものかも知れません。
 そんな目で、たとえば民主党のマニフェストを見ていると、いきなり菅さんが英語で署名しているのが目に留まります。G8やG20では手持ち無沙汰で、英語で演説も出来なかったのではなかったか(私の記憶違いでしょうか)。決して流暢には見えないけれども本人は英語の署名の方がカッコいいと思っているとしか思えませんが、こうした見栄っ張りなところ、もっと言うと本性を偽装しているのではないかと疑わせるに足る行動に、菅さんの本質が現れているような気がします。
 なんていうのは冗談にしても・・・かつて自民党政権では、単独過半数を占めていても、陰に陽に与野党協議が行われ、野党の意見であっても多少なりとも政策に反映されたものだと言われます。それは自民党に確たるポリシーがなかったことの裏返しでもあり、凡そ政権には辿りつけない万年野党のガス抜き対策と言えなくもありませんし、またそれを許すだけの余裕がある時代だったとも言えます。ところが今や、そんな悠長なことを言っていられる時ではないのかも知れませんし、思わぬ玩具を手に入れてしまった子供のように、手にした絶大なる権力に酔っているだけかも知れませんが、それにしても郵政民営化の方針を転換させるような大きな問題でもロクに審議に時間をかけることなく、また内閣改造後に、予算委員会で論戦に応じることもなく、支持率が高い内にとっとと選挙戦に突入してしまった、強引な、半ば横暴な国会運営を見ていると、もし、民主党が単独過半数を取ろうものなら、国民新党も反対していて、それもあってか民主党のマニフェストには書かれていない外国人参政権問題や選択的夫婦別姓問題を、強引に通してしまうのではないか、二面性をもつ民主党のことですから、何をしでかすか分からない空恐ろしさ、不信と不安を抱かせます。
 いよいよ明日に迫りました。政権与党において一年足らずで書き直されるようなマニフェストは信じるに足らず、先ずは総合的に判断するべきだと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする