風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

政治主導と言うけれど・・・(1)

2011-01-28 23:43:07 | 時事放談
 管さんの施政方針演説に続いて、各党の代表質問が始まりましたが、どうにも与野党の議論がかみ合いません。呆れて、何とも言いようがありません。
 ぐっと堪えて、一歩引いて、根本的に今の政治家は議論に慣れていないと思わざるを得ませんが、それは何故かとつらつら考えるに、そもそも日本人は合理的な判断よりも情念で動くことが多く、議論よりも空気に支配されやすい性向がある上に、明治以来の日本の政治の現実は、官僚が情報を握り、与党のためにシナリオを作成してくれるものだから、自民党ですら下野すれば、対案はおろか、手も足も出せなくて、結局、下らない足の引っ張り合いに終始せざるを得ない、といったところなのだろうと思います。そうすると、日本に二大政党制は馴染まないのではないか、いわば勝てば官軍で、政権を取るか取らないかが焦点になり、一昨年の衆議院選挙の民主党のキャッチフレーズのように「政権交代。」と句点を打って、それだけが目的化して、以後、思考停止してしまうのではないかとも思います。今回の与謝野さんの経済財政政策担当大臣就任などは良い例で、本人は、財政・社会保障改革は政治家の良心だ、政治家生命も残り少ないと、真綿にくるんで言い訳しますが、要は弱小野党にいたら情報は入らないし何も出来ないという証左でしょうし、自民党の主張も、自民の比例で当選し、離党後も民主党の政策をこっぴどく批判しておいて、民主党政権で入閣する変節はどうしたことかと、大いなる疑問を呈して、それは確かに一理あるのですが、煎じ詰めると、要は野党に成り下がった自民党を捨てて、与党・民主党に鞍替えするのはズルいと言っているに過ぎません。
 政治主導と言うけれども、物言えば唇寒し秋の風・・・といったところです。秋の風どころか、真冬の寒気で耐えられないほど・・・。
コメント
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