今週は、大雪予報が肩すかしで小雪になっても首都圏の鉄道網はやはり混乱してしまうという珍現象があって、都知事は気象庁にかみついていましたが、それよりも、鉄道の運行は大変だろうことは想像されるとは言えJRの対応には疑問なしとはしませんでした。しかし、更にそれよりもPM2.5や射撃管制用レーダーなど、中国から飛んで来る物騒なもので騒然とさせられた一週間でした。今日は射撃管制用レーダー照射問題の方を取り上げます。
ご存じの通り、沖縄県・尖閣諸島周辺の東シナ海を航行中の海上自衛隊・護衛艦「ゆうだち」が、中国海軍のフリゲート艦から射撃管制用レーダーの照射を受けた(ロック・オンされた)のは先月30日のことでした。小野寺防衛相が緊急記者会見を開いて公表した5日夜まで、随分時間がかかったのは「正確な分析」のためと説明され、分析にそんなに時間がかかるものなのかよく分かりませんが、どうやら民主党政権時代にも同様の事案があって、日中関係、所謂「戦略的互恵関係」に配慮して、穏便に済ませていたようであり、それらも踏まえてあらためて対応が協議されたのでしょう。中国との間の「戦略的互恵関係」について、あらためて考えさせられます。
今回のレーダー照射問題で、おやっ?と驚かされたのは、海保の巡視船ではなく海自の艦艇だったことでした。産経の報道によると、中国が東シナ海で挑発行動を繰り返すのに対応し、尖閣周辺の領海内では海上保安庁の巡視船が配置され、領海内に侵入する中国公船を警戒していたのに加え、尖閣から約112~128キロ離れた公海上の海域では、中国海軍のジャンウェイ級やジャンカイ級のフリゲート艦など2隻が常時展開しているため、海上自衛隊の艦艇がマークするといった睨み合いが、昨年9月以来、常態化していたのだそうです。更に、1月14日、軍機関紙「解放軍報」が、総参謀部が全軍に対し「戦争の準備をせよ」と指示したと報じたこと、また同日、軍事科学学会副秘書長の羅援少将が国営中央テレビで、「日本が曳光弾を使用するならば、中国はさらに一歩進めてレーダー照射を行え」という趣旨の発言をしたことが、日本でも報じられましたが、2月7日付の中国の軍機関紙「解放軍報」によると、習近平・中央軍事委員会主席(党総書記)は、今月4日、甘粛省で蘭州軍区を視察した際に重要講話を行い、「軍事闘争への備えの拡充と深化に力を入れ、部隊の即応、即戦、必勝の態勢を確保しなければならない」と強調していたことも明らかになりました(産経)。
今回の問題について、中国側の反応をあらためて時系列で追いかけてみます(産経新聞による)。
■日本政府は5日、在日中国大使館や中国の外務、国防両省に厳重抗議し、中国側は「事実関係を確認したい」と答えた。
中国の外務省や国防省は5日、正式な見解を発表しなかった。日本や米国の出方を見極めているとみられる。
■中国外務省の華春瑩報道官は6日の定例記者会見で、中国海軍のフリゲート艦による海上自衛隊の護衛艦に対する射撃管制用レーダー照射について繰り返しコメントを求められ、「報道を見てから関連の情報を知った。具体的な状況は理解していない。関係部署に聞くように」の一点張り。軍による挑発行動とはいえ、外交問題に発展する事案を中国外務省が知らなかった“失態”を突かれても、言葉を詰まらせながら、「そう理解してもらっていい」と回答を避けた。
■中国外務省の華春瑩報道官は7日の定例記者会見で、レーダー照射について「日本が危機をあおり、緊張をつくりだし、中国のイメージをおとしめようとしている」と反論、日本側に事態悪化の責任をかぶせた。レーダー照射に関しては「真剣に調査している」とだけ述べた。
■中国国防省の報道担当者は7日、香港のフェニックステレビに対し、日中間の緊張が高まっている根本的な原因は「日本の艦船と航空機が至近距離で中国側の艦船を追跡、監視していることにある」と強調し、中国海軍艦船が海自艦に射撃管制用レーダーを照射したとする日本側の説明は「事実に合致しない」と否定した。国防省はレーダー照射に関し公式にコメントしていない。
中国側には「(照射の)事実関係をめぐって争えば、日本の術中にはまる」(中国政府関係者)との懸念があり、外務省会見では事実関係について調査中として回答を避けた。
■国防省は8日、「使用したのは通常の警戒管制レーダーで射撃管制用ではない」と否定した。さらに日中間の緊張が高まっている根本的な原因は「日本の艦船と航空機が至近距離で中国側の艦船を追跡、監視していることにある」と強調し、日本に責任を押しつけた
他方、報道はどうなっているかと言いますと、
★6日付の中国各紙の多くは、日本メディアの報道を引用して事実を伝えるに留めた。専門家は環球時報に対し、「軍事的見地からいえば、照準を合わせた後はすぐに発射できる。しかし、現在の中日関係の情勢からは一触即発の状況には至っていない」と述べている。威嚇をエスカレートさせている中国側も、武力衝突は避けたいというのが、本音とみえる。
★7日付の共産党機関紙、人民日報系の環球時報は社説で「日本側が説明する詳細な状況の真実性と、今回の世論戦を仕掛けた魂胆には疑問符を付けざるを得ない」と主張し、照射の公表は国際社会で日本の立場を有利にするための世論戦との認識を示した。その上で「(レーダー照射の)ニュースは中国社会で驚きはない。中国の民衆は東シナ海での緊張に慣れており、中日間で『1発目が発せられる』ことに覚悟はできている」と強調した。
また同日付の中国紙、新京報は中国人学者の寄稿を掲載。今月下旬に予定されている安倍晋三首相の訪米を控え、日本側は今回の事件で「中国脅威論」を宣伝し、米国から平和憲法改正の支持を取り付けようとしていると分析。レーダー照射の公表は「安倍内閣による苦心惨憺の末の策だ」と指摘した。
なんともやり切れない反応です。これが物騒で厄介な隣人(しかも日本は引っ越して離れるわけには行かない)中国と、近所づき合いせざるを得ないために名づけた「戦略的互恵関係」の実態です。一般国民レベルで(ネット右翼のネチズンを除いて)どこまで(なんとなく報道されているように)真に反日かというと、私の限られた経験からは若干疑問ではありますが、共産党一党独裁の中国という国家としては、相も変わらず煮ても焼いても食えない手合いです。
どうやら当初、中国・外交部は本件を知らされていないようでした。中国・外交部と言えば、対北朝鮮外交など、中国の外交の全てを担当しているわけではなく、時に党中央の外交や軍の外交が外交部の頭越しに行われることがあるそうですから、さもありなん、といったところでしょう。また政権トップについても、習近平氏は、昨年11月に党中央トップとして総書記職と軍事中央委員会主席職を引き継いだだけで、国家の政権を正式に引き継ぐのは3月の全国人民代表大会を待たねばならず、それまでは、胡錦濤、温家宝の両氏が「ロスタイム消化」(福島香織さんの表現)の状態なわけです。ただでさえ人民解放軍という、タテマエでは国軍ではなく共産党の軍事部門いわば私兵という位置づけにあって、政府や外交部が承知していなかったとしてもやむを得ないのでしょう。実際のところはどうなのか。政府として容認したとすれば、かりそめにも「一歩間違うと大変危険な状況に陥る」(小野寺防衛相)、つまり事実上の攻撃予告に手をかけたことになるという意味で、国連安保理常任理事国ともあろうものが「武力による威嚇や行使をいかなる国の領土保全に対しても慎まなければならない」と定める国連憲章2条4項に抵触しかねず、大いに問題ですし、実は知らなかったと言えば軍に対する文民統制が欠如していることを認めることになり、これも問題なわけで、結局、事実を否定し、日本が危機を煽っていると、筋違いの論を展開するしかなかった、イビツな内部事情が垣間見えます。
問題は、中国の狙いです。尖閣諸島を巡っては、もはや単なる国際法上の領土問題ではなく、中国の航空機による初めての領空侵犯が「南京大虐殺記念日」の行事が行われる昨年12月13日午前11時(現地時間10時)を狙ったかのように実行されたことに見られるように、南京事件(中国に言わせれば南京大虐殺)とリンクする「民族の屈辱の問題」ひいては「政治問題」に位置付けようとしていることは明らかであり、「威嚇」の範囲を拡げこそすれ狭めることはないだろうと、遠藤誉さんはあるコラムで述べておられました。ナショナリズムを煽り、内政への不満を外へ逸らし、あるいはガス抜きをし、国としての求心力を高めることは、どこの国でも昔から行われてきた常套手段ですが、同時にそれを対日外交圧力にも利用し、尖閣問題で譲歩を迫ろうとしているのは、毎度のことですが、間違いありません。人民解放軍の実力を考えれば、今のところは軍事衝突を避けたい(遠藤誉さんは、万一にも戦争などになったら、一人っ子の命を奪うことになり、その親たちが許しはしないだろう、そうすると統治の正当性を逆に失うから、如何に挑発しようと戦争に持っていくことは考えにくい、とユニークな視点から述べておられます)中国としては、政権の正当性が常に挑戦に晒され、その挑戦に対抗し正当性を担保するべく他国を挑発し続けるという点で、驚くほど北朝鮮に似ています(北朝鮮が中国に倣っていると言うべきでしょう、それは韓国も同じです)。そして度重なる挑発によって凌ごうとしているということは、中国の内政問題がのっぴきならなくなりつつある証拠であり、こうした挑発行動によって、他国(また国際社会)からは益々厳しい目で見られ、自らの立場を掘り崩していくという悪循環に陥っています。日本としては、この極めて危険なゲームに迂闊に乗ることなく、他方で中国の面子をあからさまに傷つけることもなく、常にアメリカや国際社会を味方につけながら、中国がまともな国に転換する時まで、この情報心理戦とも言うべき状況をうまくやり過ごすしかなさそうです。そのためには、能あるタカとして爪を研ぎつつそれを隠すこと、同時に相手にそれなりに理解させることが肝要です。
ご存じの通り、沖縄県・尖閣諸島周辺の東シナ海を航行中の海上自衛隊・護衛艦「ゆうだち」が、中国海軍のフリゲート艦から射撃管制用レーダーの照射を受けた(ロック・オンされた)のは先月30日のことでした。小野寺防衛相が緊急記者会見を開いて公表した5日夜まで、随分時間がかかったのは「正確な分析」のためと説明され、分析にそんなに時間がかかるものなのかよく分かりませんが、どうやら民主党政権時代にも同様の事案があって、日中関係、所謂「戦略的互恵関係」に配慮して、穏便に済ませていたようであり、それらも踏まえてあらためて対応が協議されたのでしょう。中国との間の「戦略的互恵関係」について、あらためて考えさせられます。
今回のレーダー照射問題で、おやっ?と驚かされたのは、海保の巡視船ではなく海自の艦艇だったことでした。産経の報道によると、中国が東シナ海で挑発行動を繰り返すのに対応し、尖閣周辺の領海内では海上保安庁の巡視船が配置され、領海内に侵入する中国公船を警戒していたのに加え、尖閣から約112~128キロ離れた公海上の海域では、中国海軍のジャンウェイ級やジャンカイ級のフリゲート艦など2隻が常時展開しているため、海上自衛隊の艦艇がマークするといった睨み合いが、昨年9月以来、常態化していたのだそうです。更に、1月14日、軍機関紙「解放軍報」が、総参謀部が全軍に対し「戦争の準備をせよ」と指示したと報じたこと、また同日、軍事科学学会副秘書長の羅援少将が国営中央テレビで、「日本が曳光弾を使用するならば、中国はさらに一歩進めてレーダー照射を行え」という趣旨の発言をしたことが、日本でも報じられましたが、2月7日付の中国の軍機関紙「解放軍報」によると、習近平・中央軍事委員会主席(党総書記)は、今月4日、甘粛省で蘭州軍区を視察した際に重要講話を行い、「軍事闘争への備えの拡充と深化に力を入れ、部隊の即応、即戦、必勝の態勢を確保しなければならない」と強調していたことも明らかになりました(産経)。
今回の問題について、中国側の反応をあらためて時系列で追いかけてみます(産経新聞による)。
■日本政府は5日、在日中国大使館や中国の外務、国防両省に厳重抗議し、中国側は「事実関係を確認したい」と答えた。
中国の外務省や国防省は5日、正式な見解を発表しなかった。日本や米国の出方を見極めているとみられる。
■中国外務省の華春瑩報道官は6日の定例記者会見で、中国海軍のフリゲート艦による海上自衛隊の護衛艦に対する射撃管制用レーダー照射について繰り返しコメントを求められ、「報道を見てから関連の情報を知った。具体的な状況は理解していない。関係部署に聞くように」の一点張り。軍による挑発行動とはいえ、外交問題に発展する事案を中国外務省が知らなかった“失態”を突かれても、言葉を詰まらせながら、「そう理解してもらっていい」と回答を避けた。
■中国外務省の華春瑩報道官は7日の定例記者会見で、レーダー照射について「日本が危機をあおり、緊張をつくりだし、中国のイメージをおとしめようとしている」と反論、日本側に事態悪化の責任をかぶせた。レーダー照射に関しては「真剣に調査している」とだけ述べた。
■中国国防省の報道担当者は7日、香港のフェニックステレビに対し、日中間の緊張が高まっている根本的な原因は「日本の艦船と航空機が至近距離で中国側の艦船を追跡、監視していることにある」と強調し、中国海軍艦船が海自艦に射撃管制用レーダーを照射したとする日本側の説明は「事実に合致しない」と否定した。国防省はレーダー照射に関し公式にコメントしていない。
中国側には「(照射の)事実関係をめぐって争えば、日本の術中にはまる」(中国政府関係者)との懸念があり、外務省会見では事実関係について調査中として回答を避けた。
■国防省は8日、「使用したのは通常の警戒管制レーダーで射撃管制用ではない」と否定した。さらに日中間の緊張が高まっている根本的な原因は「日本の艦船と航空機が至近距離で中国側の艦船を追跡、監視していることにある」と強調し、日本に責任を押しつけた
他方、報道はどうなっているかと言いますと、
★6日付の中国各紙の多くは、日本メディアの報道を引用して事実を伝えるに留めた。専門家は環球時報に対し、「軍事的見地からいえば、照準を合わせた後はすぐに発射できる。しかし、現在の中日関係の情勢からは一触即発の状況には至っていない」と述べている。威嚇をエスカレートさせている中国側も、武力衝突は避けたいというのが、本音とみえる。
★7日付の共産党機関紙、人民日報系の環球時報は社説で「日本側が説明する詳細な状況の真実性と、今回の世論戦を仕掛けた魂胆には疑問符を付けざるを得ない」と主張し、照射の公表は国際社会で日本の立場を有利にするための世論戦との認識を示した。その上で「(レーダー照射の)ニュースは中国社会で驚きはない。中国の民衆は東シナ海での緊張に慣れており、中日間で『1発目が発せられる』ことに覚悟はできている」と強調した。
また同日付の中国紙、新京報は中国人学者の寄稿を掲載。今月下旬に予定されている安倍晋三首相の訪米を控え、日本側は今回の事件で「中国脅威論」を宣伝し、米国から平和憲法改正の支持を取り付けようとしていると分析。レーダー照射の公表は「安倍内閣による苦心惨憺の末の策だ」と指摘した。
なんともやり切れない反応です。これが物騒で厄介な隣人(しかも日本は引っ越して離れるわけには行かない)中国と、近所づき合いせざるを得ないために名づけた「戦略的互恵関係」の実態です。一般国民レベルで(ネット右翼のネチズンを除いて)どこまで(なんとなく報道されているように)真に反日かというと、私の限られた経験からは若干疑問ではありますが、共産党一党独裁の中国という国家としては、相も変わらず煮ても焼いても食えない手合いです。
どうやら当初、中国・外交部は本件を知らされていないようでした。中国・外交部と言えば、対北朝鮮外交など、中国の外交の全てを担当しているわけではなく、時に党中央の外交や軍の外交が外交部の頭越しに行われることがあるそうですから、さもありなん、といったところでしょう。また政権トップについても、習近平氏は、昨年11月に党中央トップとして総書記職と軍事中央委員会主席職を引き継いだだけで、国家の政権を正式に引き継ぐのは3月の全国人民代表大会を待たねばならず、それまでは、胡錦濤、温家宝の両氏が「ロスタイム消化」(福島香織さんの表現)の状態なわけです。ただでさえ人民解放軍という、タテマエでは国軍ではなく共産党の軍事部門いわば私兵という位置づけにあって、政府や外交部が承知していなかったとしてもやむを得ないのでしょう。実際のところはどうなのか。政府として容認したとすれば、かりそめにも「一歩間違うと大変危険な状況に陥る」(小野寺防衛相)、つまり事実上の攻撃予告に手をかけたことになるという意味で、国連安保理常任理事国ともあろうものが「武力による威嚇や行使をいかなる国の領土保全に対しても慎まなければならない」と定める国連憲章2条4項に抵触しかねず、大いに問題ですし、実は知らなかったと言えば軍に対する文民統制が欠如していることを認めることになり、これも問題なわけで、結局、事実を否定し、日本が危機を煽っていると、筋違いの論を展開するしかなかった、イビツな内部事情が垣間見えます。
問題は、中国の狙いです。尖閣諸島を巡っては、もはや単なる国際法上の領土問題ではなく、中国の航空機による初めての領空侵犯が「南京大虐殺記念日」の行事が行われる昨年12月13日午前11時(現地時間10時)を狙ったかのように実行されたことに見られるように、南京事件(中国に言わせれば南京大虐殺)とリンクする「民族の屈辱の問題」ひいては「政治問題」に位置付けようとしていることは明らかであり、「威嚇」の範囲を拡げこそすれ狭めることはないだろうと、遠藤誉さんはあるコラムで述べておられました。ナショナリズムを煽り、内政への不満を外へ逸らし、あるいはガス抜きをし、国としての求心力を高めることは、どこの国でも昔から行われてきた常套手段ですが、同時にそれを対日外交圧力にも利用し、尖閣問題で譲歩を迫ろうとしているのは、毎度のことですが、間違いありません。人民解放軍の実力を考えれば、今のところは軍事衝突を避けたい(遠藤誉さんは、万一にも戦争などになったら、一人っ子の命を奪うことになり、その親たちが許しはしないだろう、そうすると統治の正当性を逆に失うから、如何に挑発しようと戦争に持っていくことは考えにくい、とユニークな視点から述べておられます)中国としては、政権の正当性が常に挑戦に晒され、その挑戦に対抗し正当性を担保するべく他国を挑発し続けるという点で、驚くほど北朝鮮に似ています(北朝鮮が中国に倣っていると言うべきでしょう、それは韓国も同じです)。そして度重なる挑発によって凌ごうとしているということは、中国の内政問題がのっぴきならなくなりつつある証拠であり、こうした挑発行動によって、他国(また国際社会)からは益々厳しい目で見られ、自らの立場を掘り崩していくという悪循環に陥っています。日本としては、この極めて危険なゲームに迂闊に乗ることなく、他方で中国の面子をあからさまに傷つけることもなく、常にアメリカや国際社会を味方につけながら、中国がまともな国に転換する時まで、この情報心理戦とも言うべき状況をうまくやり過ごすしかなさそうです。そのためには、能あるタカとして爪を研ぎつつそれを隠すこと、同時に相手にそれなりに理解させることが肝要です。