先月末、南北朝鮮の首脳会談で、両首脳の一挙手一投足を日本中のメディアが追いかけていた、その日に、インド・モディ首相と中国・習近平国家主席との首脳会談が行われていたことに、以前、このブログでちらっと触れたことがあった(翌日の日経朝刊は南北首脳会談一色で、中印の記事が見当たらないと不平を述べた)。連休中、ヒマに飽かせて産経電子版を検索していたら、中印の間で国境紛争回避に向けて、また経済面で、今後、連携を強化することで一致した、とあった。
インドのモディ首相と言えば、人たらしの安倍首相とは結構ウマが合うようで、昨年9月に安倍さんがインドを訪問し日印首脳会談を行ったとき(航空会社が路線を自由に設定できる航空自由化などで合意し、また日本の新幹線方式を導入したインド初の高速鉄道事業が始動した)、熱烈歓迎を受けたことが記憶に新しい。モディ首相は安倍さんの背中にぐるりと腕を回して抱きつくようなハグで迫って、安倍さんが困惑して苦笑いするほどだった。因みにモディ首相はハグ魔で、安倍さんに限らず、米国のトランプ大統領やオバマ大統領とも、またロシアのプーチン大統領や、英国のキャメロン首相や、フランスのマクロン大統領や、豪州のアボット首相や、イスラエルのリブリン大統領とも、熱烈ハグを交わしている(ネットで検索すれば次々にモディ首相の愛らしい写真が出てくる)。それはともかく、この9月の訪印の際、中国・人民日報系の環球時報は、社説で日印をこてんぱんに貶したものだった。曰く、「中国の国家安全に挑戦できるアジアの国は一つもなく、2、3カ国が集まっても不可能だ」、また周辺国が中国に対抗しようとしても、ロシアが参加しない限りアジアの地政学構造は変化しないと分析して、インドを「経済が立ち遅れた国」、日本を「政治的なチビ」と見下し、その両国が接近しても決定的な影響はないと言い放ったのだった。なんと大人げないことだろう。本当に大したことがなければ無視すればよいので、中国としては日印の蜜月が余程気に食わなかったのだろう。
その後、日印首脳は11月にも、ASEAN関連首脳会議に出席するためにマニラを訪問したときにも会談しており、両首脳間で実に11回目である(プーチンとの20回には及ばないが)。
随分、前置きが長くなったが、本題のモディ首相と習近平国家主席との首脳会談ではどうだったか・・・私がブログに書くくらいだから容易に想像がつくことで、インドのメディアはわざわざ「ハグがなかった」ことをニュースに付言したという。これまで中印国境紛争のほか、インドが国境紛争を抱えるパキスタンを中国が支援し、昨年は中国とインドとブータンの国境が三つ巴に接するドクラム高地で中印両軍が対峙し、中国の一帯一路に対してインドは支持せず、この1月にインドは射程5千キロ超のICBM「アグニV」の発射実験に成功して中国全土が核攻撃の射程内に入ったと主張し・・・それぞれ腹に一物をもつ両首脳なのだが、貿易戦争を仕掛けるトランプ大統領を牽制するべく(ややぎこちなく)にこやかに近づいた習近平国家主席に対する仕打ちとして、なんとも象徴的な一幕であった。
インドのモディ首相と言えば、人たらしの安倍首相とは結構ウマが合うようで、昨年9月に安倍さんがインドを訪問し日印首脳会談を行ったとき(航空会社が路線を自由に設定できる航空自由化などで合意し、また日本の新幹線方式を導入したインド初の高速鉄道事業が始動した)、熱烈歓迎を受けたことが記憶に新しい。モディ首相は安倍さんの背中にぐるりと腕を回して抱きつくようなハグで迫って、安倍さんが困惑して苦笑いするほどだった。因みにモディ首相はハグ魔で、安倍さんに限らず、米国のトランプ大統領やオバマ大統領とも、またロシアのプーチン大統領や、英国のキャメロン首相や、フランスのマクロン大統領や、豪州のアボット首相や、イスラエルのリブリン大統領とも、熱烈ハグを交わしている(ネットで検索すれば次々にモディ首相の愛らしい写真が出てくる)。それはともかく、この9月の訪印の際、中国・人民日報系の環球時報は、社説で日印をこてんぱんに貶したものだった。曰く、「中国の国家安全に挑戦できるアジアの国は一つもなく、2、3カ国が集まっても不可能だ」、また周辺国が中国に対抗しようとしても、ロシアが参加しない限りアジアの地政学構造は変化しないと分析して、インドを「経済が立ち遅れた国」、日本を「政治的なチビ」と見下し、その両国が接近しても決定的な影響はないと言い放ったのだった。なんと大人げないことだろう。本当に大したことがなければ無視すればよいので、中国としては日印の蜜月が余程気に食わなかったのだろう。
その後、日印首脳は11月にも、ASEAN関連首脳会議に出席するためにマニラを訪問したときにも会談しており、両首脳間で実に11回目である(プーチンとの20回には及ばないが)。
随分、前置きが長くなったが、本題のモディ首相と習近平国家主席との首脳会談ではどうだったか・・・私がブログに書くくらいだから容易に想像がつくことで、インドのメディアはわざわざ「ハグがなかった」ことをニュースに付言したという。これまで中印国境紛争のほか、インドが国境紛争を抱えるパキスタンを中国が支援し、昨年は中国とインドとブータンの国境が三つ巴に接するドクラム高地で中印両軍が対峙し、中国の一帯一路に対してインドは支持せず、この1月にインドは射程5千キロ超のICBM「アグニV」の発射実験に成功して中国全土が核攻撃の射程内に入ったと主張し・・・それぞれ腹に一物をもつ両首脳なのだが、貿易戦争を仕掛けるトランプ大統領を牽制するべく(ややぎこちなく)にこやかに近づいた習近平国家主席に対する仕打ちとして、なんとも象徴的な一幕であった。