それにしてもスゴイ中学生がいたものである。言わずもがな、最年少プロ棋士・藤井聡太四段のことで、昨年12月のデビュー以来、負け知らずの28連勝を飾り、神谷広志八段(現在56歳)がかれこれ30年前の1986~87年度につくった歴代1位の連勝記録に並び、将棋の世界では珍しく号外が出た。あの羽生善治三冠をして「(神谷広志八段の偉大な記録に並ぶとは)驚嘆の一語に尽きる」とまで言わしめた。そんな周囲のフィーバー振りは歯牙にもかけず、実に淡々と、という印象で、勝負に徹している。
最近、大人顔負けの中学生の活躍が目覚ましい。サッカーの久保建英くんは2001年6月4日生まれの16歳で、昨年、中学3年生ながらFC東京U-18に飛び級で昇格し、日本クラブユースサッカー選手権では飛び級で出場して、大会史上初となる中学生の得点王に輝いた(その後、U-19に史上最年少で選出されてアルゼンチン代表との親善試合でU-19代表デビューを果たし、今年ドイツ遠征のU-20日本代表メンバーに選出されて参加、2017 FIFA U-20ワールドカップに挑むU-20日本代表にも飛び級で選出されて初戦途中出場した)。男子卓球の張本智和くんは2003年6月27日生まれで間もなく14歳の中学2年生ながら、この前の世界卓球選手権では、史上最年少の13歳6ヶ月で日本代表に選出され、2回戦で水谷隼さんを破り、ベスト8入りは13歳では史上初めてだった。女子卓球の伊藤美誠ちゃん(2000年10月21日生まれ)や平野美宇ちゃん(2000年4月14日生まれ)に至っては上の二人よりもトウが立っているなどと言っては怒られちゃうが、まだ花も恥じらう17歳(なんて形容は死語か)、その活躍については言うまでもない。
さて、その藤井聡太四段は、2002年7月19日生まれで、まだ14歳である。9・11同時多発テロの時に何をしていたか・・・などと話題にすることがたまにあるが、その時、彼はまだ生まれていない。ヘタすりゃ私の孫と言ってもおかしくない年齢である。だいたい中学三年生と言えば世間知らずの洟垂れ小僧で、私なんぞは星新一やシャーロック・ホームズに夢中になり、(ちょっと生意気ながらも)狐狸庵先生(遠藤周作さん)のエッセイに興じて、「ぐうたらに生きるには・・・」との命題を掲げて日夜、必死に模索していた。呑気なものである。
将棋について、好奇心だけは旺盛な小学生の頃、安売りの駒を買って来て遊んでいたが、体系的な勉強まで進まなかったので、もとより何も言えない。しかし彼のインタビューの受け応えは落ち着いていて、とても14歳とは思えない、老成した雰囲気すら漂わせている。「28連勝のタイ記録に並んだ率直な気持ち」を問われて、「ここまで連勝できるとは思わなかった。運がよかった」と言い、「28局振り返って印象に残る対局」を問われて、「途中で苦しんだのは数多かった。ここまで連勝できたのは本当に幸運だった」と答える謙虚さ。「神谷広志八段の記録に並んで、次に向けて」と問われて、「次局も記録は意識せず、普段通りの心境で臨めたら」と答え、「連勝する中で日本中が大騒ぎです」と問われて、「注目して頂けるというのは本当に有難い。ただ、今自分がすべきことはもっと将棋が強くなること。一喜一憂せず日々がんばっていきたい」と答える冷静さ。「棋士として中学3年生で先はまだ長い。今後はどんな棋士になりたい?」と問われて、「本当に今回幸運にも28連勝という結果を残すことができた。まだまだ実力が足りないと思っているので、そういったところを直してもっと強くなれるよう精進したいです」と答え、「28連勝の先、あこがれのタイトルへの思い」を問われて、「ただタイトル獲得には更に棋力をつけることが必要なことには変わりないと思うので、まずは実力をつけるべく頑張りたいと思います」と答える飽くなき向上心。更に、「デビュー戦で対局した加藤一二三九段が昨日引退した」と水を向けられると、「僕自身、大きなものを学ばせてもらった。迫力のある対局姿がみれないと思うと一抹の寂しさを感じます」と答える・・・「一抹の寂しさ」なんて中学三年生が使う言葉だろうか!?
前回のブログで取り上げた松山英樹も30年ぶりに記録を塗り替えて、30年かそれ以上に一人の逸材だろうと思うが、天才は確かにいて、藤井聡太四段も、30年と言わず、それこそ底知れぬポテンシャルを持つ。私たち凡人は同時代に生まれ合わせて、そんな天才たちの生態に興味をもつ。下世話ながらも、なんと愉しいことだろう。
最近、大人顔負けの中学生の活躍が目覚ましい。サッカーの久保建英くんは2001年6月4日生まれの16歳で、昨年、中学3年生ながらFC東京U-18に飛び級で昇格し、日本クラブユースサッカー選手権では飛び級で出場して、大会史上初となる中学生の得点王に輝いた(その後、U-19に史上最年少で選出されてアルゼンチン代表との親善試合でU-19代表デビューを果たし、今年ドイツ遠征のU-20日本代表メンバーに選出されて参加、2017 FIFA U-20ワールドカップに挑むU-20日本代表にも飛び級で選出されて初戦途中出場した)。男子卓球の張本智和くんは2003年6月27日生まれで間もなく14歳の中学2年生ながら、この前の世界卓球選手権では、史上最年少の13歳6ヶ月で日本代表に選出され、2回戦で水谷隼さんを破り、ベスト8入りは13歳では史上初めてだった。女子卓球の伊藤美誠ちゃん(2000年10月21日生まれ)や平野美宇ちゃん(2000年4月14日生まれ)に至っては上の二人よりもトウが立っているなどと言っては怒られちゃうが、まだ花も恥じらう17歳(なんて形容は死語か)、その活躍については言うまでもない。
さて、その藤井聡太四段は、2002年7月19日生まれで、まだ14歳である。9・11同時多発テロの時に何をしていたか・・・などと話題にすることがたまにあるが、その時、彼はまだ生まれていない。ヘタすりゃ私の孫と言ってもおかしくない年齢である。だいたい中学三年生と言えば世間知らずの洟垂れ小僧で、私なんぞは星新一やシャーロック・ホームズに夢中になり、(ちょっと生意気ながらも)狐狸庵先生(遠藤周作さん)のエッセイに興じて、「ぐうたらに生きるには・・・」との命題を掲げて日夜、必死に模索していた。呑気なものである。
将棋について、好奇心だけは旺盛な小学生の頃、安売りの駒を買って来て遊んでいたが、体系的な勉強まで進まなかったので、もとより何も言えない。しかし彼のインタビューの受け応えは落ち着いていて、とても14歳とは思えない、老成した雰囲気すら漂わせている。「28連勝のタイ記録に並んだ率直な気持ち」を問われて、「ここまで連勝できるとは思わなかった。運がよかった」と言い、「28局振り返って印象に残る対局」を問われて、「途中で苦しんだのは数多かった。ここまで連勝できたのは本当に幸運だった」と答える謙虚さ。「神谷広志八段の記録に並んで、次に向けて」と問われて、「次局も記録は意識せず、普段通りの心境で臨めたら」と答え、「連勝する中で日本中が大騒ぎです」と問われて、「注目して頂けるというのは本当に有難い。ただ、今自分がすべきことはもっと将棋が強くなること。一喜一憂せず日々がんばっていきたい」と答える冷静さ。「棋士として中学3年生で先はまだ長い。今後はどんな棋士になりたい?」と問われて、「本当に今回幸運にも28連勝という結果を残すことができた。まだまだ実力が足りないと思っているので、そういったところを直してもっと強くなれるよう精進したいです」と答え、「28連勝の先、あこがれのタイトルへの思い」を問われて、「ただタイトル獲得には更に棋力をつけることが必要なことには変わりないと思うので、まずは実力をつけるべく頑張りたいと思います」と答える飽くなき向上心。更に、「デビュー戦で対局した加藤一二三九段が昨日引退した」と水を向けられると、「僕自身、大きなものを学ばせてもらった。迫力のある対局姿がみれないと思うと一抹の寂しさを感じます」と答える・・・「一抹の寂しさ」なんて中学三年生が使う言葉だろうか!?
前回のブログで取り上げた松山英樹も30年ぶりに記録を塗り替えて、30年かそれ以上に一人の逸材だろうと思うが、天才は確かにいて、藤井聡太四段も、30年と言わず、それこそ底知れぬポテンシャルを持つ。私たち凡人は同時代に生まれ合わせて、そんな天才たちの生態に興味をもつ。下世話ながらも、なんと愉しいことだろう。
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