風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ギブソン経営破綻

2018-05-02 22:56:53 | スポーツ・芸能好き
 アメリカのギター・メーカー、ギブソン・ブランズ社がチャプター11(米連邦破産法11条、日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。まあそういうこともあるよなあ・・・と表面上は冷静に受け留めつつ、心の中ではちょっとした驚きを隠せない。
 ギブソンと言えば、B・B・キング、エリック・クラプトン、ジョン・レノン、ジミー・ペイジなどの著名アーティストに愛用されたことで知られる。今後は楽器製造にフォーカスし、2014年にフィリップスから買収していたオーディオ機器・家庭用娯楽機器などからは撤退するという。
 私のような年代には憧れのブランドで、アコースティック・ギターではマーチン(Martin)、エレキ・ギターではギブソン(Gibson)やフェンダー(Fender)といった固定イメージがある(Gibsonもアコースティック・ギターを製造しているが)。学生時代にフォーク系のバンドを組んだときには、Martinには手が出なくて、当時、ラジオCMで頻りに流れていたキャッチフレーズ「モーリス(Morris)持てばスーパースターも夢じゃない」という、かまやつひろしだったか谷村新司だったかの甘い声にほだされて、Morrisを買った。確かMartin D-18の音に近いからと、わざわざMorrisの安いモデルを(しかし値段はMartinとは一桁違った)買ったものだ(今も捨てずに実家にある)。というわけで、GibsonやFenderとは、ギター・ピックでしかお付き合いがないのだが、まあ、いつか上手くなったらMartin、Gibson、Fender・・・というブランドだった(実際に、ペナン駐在の頃、エレキ・ギターを買いたい衝動に駆られたことがある)。
 近頃、アメリカの音楽市場では、ギターを余り使わないヒップホップが人気を集める一方、ロック音楽が低迷し、エレキ・ギター市場も縮小傾向が続いていた、と解説される(朝日新聞デジタル)。そんな中で、Gibsonは多角化に失敗したわけだが、なんとなく状況は分からないではない。フェンダーも赤字経営で苦戦していると聞く。私たちの世代には、先ほども触れたように、モテたいがために・・・いや趣味のドライブや音楽と言うよりもむしろ生活の一部として、車やギターは必須のアイテムだったが、今どきの若者には響かないのだろう。ヴァーチャル全盛の世だけにリアルの世界もちょっとは頑張るだろう・・・というのは年寄りの甘い夢、ただのノスタルジーだったようだ。隔世の感がある。
コメント
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