かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

休業

2011年12月11日 21時59分39秒 | みゆみゆとの生活
で、前の記事につながるのですが。
今年もあとわずかとなってきましたので、ここらでカミングアウトします。

そうちゃんの入学を4月に控え、地元小学校(特別支援学級)への思いが強まる中、
夏も終わりの8月末ごろ、我が家では一つの決断をしました。
「母が仕事をやめて、そうちゃんをどんな運動をしてでも地元小学校へ入れる。
そして、そうちゃんが小学校での生活を安定して過ごせるようになるまでは、登下校をはじめ、授業にも、とことん付き合う。
なんとかやっていけそうになれば、支障のない範囲でパートの仕事を探し、また働く。」

悩みに悩んだ決断でした。
ストレスで体調も不調になりました。

「環境の大きな変化で不安定になるに決まっているそうちゃんを、フルタイムで働き続けながら支えていく。ノウハウも人員も足りない地元小学校に、そうちゃんの特徴を丁寧に伝えていく。」
…これは、現実的に不可能だと。
世の中は、悲しいけれど、共働きで障害児を特別支援学級に入れることが可能な仕組みには、なってない。

散々夫婦で議論し、自分としても必死で考えて出した結論。
やりがいを持っていて、好きな仕事だったのですけど。
2週間くらい、上司に言うタイミングを思い悩んだ末、ついに「やめます」と伝えたのが夏の終わり。

ところが。
私の話を聞いて、「ご家族で話し合った結果でしょうから…」と受け入れて下さった上司。
でも事情を詳しく聞くうちに、
「学校に入る前後のことだよね?なんか方法ないかな?」と考えて下さることに。

結局、一緒に総務に相談に行ってもらい、なんと6ヶ月間の休職扱いとしてもらえることになりました。
ほんとにほんとに、ありがたいお話です。
そうちゃんの障害特性を汲み、大きな環境変化に対応するための「介護に必要な時間」として、いただけた休暇です。

上司・先輩・後輩・関わっていた多くの方々に、多大なご迷惑をおかけします。
そのことについては、胸が痛みます。
年度替わりの大変な時期に、留守にすることの申し訳なさ。。

その分、頑張らないと、とも思う。
1月から6月の、貴重な休職期間。
そうちゃんが学校生活をスタートするための準備として。
一番大事なタイミングを、丸投げにせず、母も責任を持って真摯にぶつかっていきたいと思っています。
同時に、高学年になっていくみゆみゆのフォローもできれば、なんて、欲張っています。
7月に職場復帰する時には、そうちゃんがランドセルしょってニコニコ笑顔で学校に通っていますように。

そうちゃんの育休以来の、「家にいる私」。
どうなることか…想像がつかないです;
とりあえず、今のところ学校教育は何も言って来ない。
ということは、希望通り入れてもらえるのかな?
いやいや、1月下旬に「就学通知」受け取るまでは、油断できません。
そして、受け取ってから、またまた忙しくなると思う。
気合い入れなきゃ。
新年も、明るく楽しく前向いて、頑張るぞ!

町内会

2011年12月11日 21時25分06秒 | みゆみゆとの生活
町内会の行事で、「公民館と神社境内のお掃除」というのが今朝ありました。
そういうのって、「面倒だしよくわからないし、気を遣うし…」と敬遠しがちだったのですが、
去年組長をやってからは、なるべく積極的に参加するようにしています。

今朝も、一家4人で参加。
とは言っても、私はそうちゃんの手をしっかり握っているで、お掃除はできません。
その分、みゆみゆに働いてもらって…と公民館に送りこみましたが、お役に立てたかどうかは不明;

そうちゃんは、その場にいられなければお散歩に行こうと思っていましたが、
保育園で経験した「どんぐり拾い」のおかげで、「葉っぱ拾って!」の頻繁な声掛けで少し葉っぱを拾うことができました。
それでも3分に1度ペースで突然ダッシュしようとするので、常にジャンバーの裾を捕まえていないといけない緊張感はありましたが

ともかく町内会の行事に参加して、ご近所さんにそうちゃんを知ってもらうことが大事
そして、この子の親が私たちだってこと、知ってもらわなきゃ。

という意図での参加。
これは、数回あった迷子事件からの教訓です。。。

そうちゃんは、上手に言葉で気持ちを伝えられない。
もしも本人は迷子で困っていても、きっと周りから見ると、「満面の笑みで全速力で走ってる(!)」ので、そうちゃんのことを知らないと、絶対に迷子には見えず、声も掛けてもらえないと思うのです。

今日もそうちゃんは、コンビニでレジのお姉さんに、「きんたろう?きんたろうみるぅ?きんたろう?」とエンドレスで話しかけていました。
これが2歳の子なら、「かわいいね」で済むところですが、そうちゃんは身体が大きく、小学生に見えるので、さすがにお姉さんもどうしたらいいかわからず戸惑っていました。
私は、レジのお姉さんへの説明を兼ねて、
「金太郎のビデオが見たいんだね。おうちに帰ったら見ようね。お姉さんにバイバイって言ってね。」
とそうちゃんに話し、「バイバイ」を言わせて、コンビニを後にしました。

でも、考えてみたら。
もう一歩の勇気を出して、レジのお姉さんに、こう言えばよかった。
「この子の言うことを繰り返して『きんたろう、だね』って一言だけ言ってやってもらえませんか。
そしたらこの子はわかってもらえたことに満足して、その言葉は言わなくなります。」

今度はそういう風に、説明してみようと思う。
もしも、そのお姉さんが、違う自閉ちゃんに会った時にも、役に立つかもしれないから。

自閉症は、決して「自分の殻に閉じこもる病気」ではなく、
そうちゃんの場合は特に、人が大好きで関わりたがります。
ただ、その方法や手段が、わからないために、うまくコミュニケーションが取れません。
相手の人の言葉を理解したり、状況や相手の気持ちをキャッチすることが苦手なために、自分のルールを作りたがります。その方が安心するからです。これを、「こだわり」とも言います。
毎日同じ、が安心な自閉ちゃん。
「思っていたことと違う」は、時にパニックを起こします。
「スーパーに行ってかき氷を食べるつもりだったのに、シーズンが終わったので『ない』と言われた」は、本人にとっては青天のへきれき。恐怖に近い感覚をもたらすのです。
パニックで暴れているように見える時間は、それに必死で耐えようとしている、修行の時間です。

なんて、いろんなこと言葉で説明して回るより、
家で、ビデオ・ごはん・お風呂以外に時間が過ごせないそうちゃんを連れて歩き、ありのままを見てもらった方が、理解してもらえるんじゃないか。
夫婦でそんなことを、時々話し合います。。

今日のように、お掃除に参加できたことや、
ショッピングセンターではじめてかき氷でもソフトクリームでもなくタイ焼きを食べられたこと。
年長になってはじめて、一日パンツで(排泄の失敗なく)過ごせたこと。
いつも行くラーメン屋さんで、静かにじっと待てたこと。

当たり前のようなことを、本当に嬉しいと感じさせてくれるそうちゃんが、大好きだから。
パニックを恐れず、いろんなことを経験させてあげたいと、思っています。