かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

緊急受診

2022年02月23日 20時13分30秒 | みゆみゆとの生活
続き。

そうちゃんを学校に行かせてからいつもどおりの家事をし、仕事へ。
この日は入浴介助当番。
重度心身障害のある利用者さんの体をたっぷり泡立てた泡で丁寧に洗いながら、やっぱり頭の隅にそうちゃんのことが気にかかる。

そういえば、と思い出した。
先週木曜日に突然歩けなくなったのも、てんかんと関係あるんじゃないだろか。
あのときは左足が痛むのだと思い込んでたけど、よく考えたら本人は全然痛がってなかった。
もしかしたら麻痺で力が入らなかったのかも。
脳波で異常があるのは側頭葉右前方。左の下肢に麻痺が出るパターンもあるのではないか。
明け方に一人で寝ていて大発作を起こし、左下肢が一時的に不具合を起こしていたとしたら・・・。
うーん、これは早めにドクターに相談した方がいいんじゃないかな。

職場の同僚と上司に話すと「行ってきてください」とのこと。
慌ててかかりつけの大学病院に電話すると「どうぞ来てください」。
というわけですぐに学校に迎えに行き、高速飛ばして受診してきたよ。
このドライブが計2時間。学校と病院は職場を挟んで真逆方向なのです。

とはいえ、突然でも受けてくれる大学病院に感謝。
午後1時半。おそらく昼食抜きと思われるダンディ教授がいつものように呼び込んでくれ、「どんな発作?」と聞かれた。
朝の様子を話すと、先生にしては随分考え込まれてから、薬の増量を告げられた。

 発作が大きいので、ビムパットを1日300ミリから400ミリに増量します。
 この量は50㎏以上の成人のマックス量なので、43㎏のそうちゃんには強いかもしれない。
 めまい、ふらつき、複視(物が二重に見える)などの副作用が出る可能性があるので、よく観察して今度教えてください。

「はい。私もその方が安心です。
それで先生、二点質問が。」
終わりそうなのを遮って聞く。

・発作中に食べ物が詰まって窒息した場合はどうすればいいですか?
→窒息のチアノーゼと発作そのものによるチアノーゼを判別するのは非常に難しいです。
 まず、お米のご飯で窒息することはないから大丈夫。でもある種のパンとか他の食べ物は窒息するかも。
 その場合、救急車が来るまで待っていては間に合わないので、家族でなんとかする必要があります。
 口の中から食べ物を掻き出すのはやめた方がいいです。余計押し込むだけなので。
 出させるとしたら、背中からお腹に手を回して圧迫する「ハイムリック法」か、掃除機で口の中から吸引するかだけどね。難しいよね。
 まあでも、僕はほんとにたくさんのてんかん患者さん診てきてるけど、発作中の窒息で亡くなった方は一人もいません。

・先週、起きたら左足がどうにかなってて数時間歩けなかったんですが、てんかんと関係ありますか?
→関係ない、とは言い切れないですね。
 でも脳からきてる麻痺なら、足だけではなく顔面や手にも症状が出るはずです。
 もしまた同じことがあったらよく観察してください。
 ほんとはMRIを撮るといいんだけどね。
 この子のMRIとなるとこちらも相当覚悟がいるから。
 ひとまず薬増やして様子見ましょう。

早口で、頭の回転がめちゃ速くて、心の優しい、教授。
話して安心しました。
「僕の患者で、発作中の窒息で亡くなった方はいません。」の信頼性たるや。
ついていきます、先生。

診察室を出て薬をもらい、ロビーでそうちゃんにお弁当を食べさせる。
私はその間にしばしお昼寝。
逃げ出したらわかるように足で足を挟んだままウトウトした。

病院を後にしたら、高速飛ばして戻り、そうちゃんをデイに預ける。
そして職場にとんぼ返りして今度は相談のお仕事で家庭訪問。
仕事→病院→デイ→仕事。なんちゅう忙しさ。
でも、仕事があるから「母じゃない私」に戻れる。

ああ、長い長い一日だった。
心のダメージは少し遅れてやってくるから、要注意。
おいしいもの食べて、ゆっくり休まなきゃね。

今日の晩ごはんは、

チキンと新じゃがのクリーム煮、かぼちゃとツナコーンとさやいんげんのサラダ、パン。
パンは新清洲駅前のパン屋さん、パン・ド・クエットさんのパンです。
フランスパンが美味しすぎてあっという間になくなっちゃった。

ところで、
今そうちゃんが寝ながら爆笑してたんですが。
どんな夢見たらあんなに笑えるんやろ。
うちの坊っちゃんは幸せすぎやな。