父がいて母がいた
昔 私にも
父がいて 母がいた
そんな私も、いつしか父となり 齢を重ねて六十有余年
まもなく、母の旅立ちの年(享年64才)を越えようとしている
時折 母のこんな言葉を思い出す
「父の恩は 山よりも高し
母の恩は 海よりも深しっていってね。」
当時、何となく分かったような分からないような
深遠なものにふれたような思いがよぎったような気がする
かけがえのない親の思いを自然の偉大さにたとえたのであろう
古来 人間はいつも自然と一体にあった
自然を師と仰ぎ、そこから教訓を学んだ
今の人間に一番欠けているのが 感謝と畏敬の念だという
自らの分け前である自分と周りとの関わり
いつからか、そこから、離れ おごるようになってしまったのか
おごれる平氏久しからずやではないか
自然のしっぺい返しで 温暖化も叫ばれている
時代を超えて 永遠に変わらないもの
それは、自然の摂理 神の意志
そこから、もう一度学ぶべき事はないのか。
人間は生きているようで生かされている
母の言葉と優しさが、懐かしく 今 我が心の琴線をゆさぶる
両親とも明治の生まれ 明治は遠くなりにけりだ
両親とは、今も、ときおり、対話している。
優しく、育ててくれてありがとう。