想い続けることができれば、その想いはいつか成就する

その日その日感じたことを詩、エッセイ、短歌、日記でつづります。野菜も育ててます。

俯瞰して考えることの大切さ ある歯医者さんから医療を考える

2019年05月09日 | エッセイ
震災9年5月9日

 昨年来、かかっていた歯医者さんをやめました。それは、あまりにも、その方の治療が歯医者さんサイドからのものだったからです。歯医者さんの考える治療にその歯がじゃまになっていたのです。その先にある患者さんの歯であるという思いが、その医者にはまったく無かったようです。奥歯が邪魔になり、その前の歯の治療が進まないということでした。だから、短絡的に用もないと思われる親知らずを抜いてしまう論理は飛躍がありすぎです。いい歯ならできるだけ残しておいて欲しいのが患者さんの思いです。抜いてしまえば簡単かもしれませんが、抜いたらおしまいです。せっかく生えた歯です。できるだけ治療をして、最後の最後まで私としては残しておきたかったのです。その気持ちが無かったようで残念でした。

 私もその歯を抜かないで治療するように強く進言すればよかったのですが、歯医者さんの思いが抜く方向に強かったので言い出せませんでした。抜いてしまえば簡単です。ここでは奥歯の抜歯は口腔外科を紹介しているので、そこで、抜いて欲しいということでした。彼が言うにはほっておいても、いずれ、虫歯になってしまうから今抜いてしまう方がいいでしょうというお話でしたが、私は疑問に思い、今まで、半世紀も虫歯になってない歯が残り10年で虫歯になるのでしょうかと質問をしましたが、残しておいてもしょうがないし、いずれだめになるという一点張りのお話でした。もうこれではしょうがないなという思いで会計に行きました。レシートを見ると、点数があり、他院への紹介料でもお金がかかることを知りました。結局400円を支払いました。2割負担ですから、実質2000円も紹介料が掛かっていたのです。治療もせず、紹介するだけで2000円は高すぎるなと思いました。これが、日本の医療制度なのです。他の医院に紹介するだけで、点数がつき、お金が請求される仕組みになっていたのです。これでは、健康保険の財源が足らないはずです。患者はたまりません。結局、親知らずは抜かない決断をし、その歯医者さんとはおさらばをしました。それで、今では抜かないでよかったと安堵しています。やはり、抜歯は最後の最後の手段だと心得ている歯医者さんこそ、名医だなと思っています。抜いてしまえば終わりです。
 
 私も長い間教師として、人と関わる仕事をやっていましたので、先生と患者さんの子持ちもよく分かります。いつも私としては児童の方を向いて仕事をしていたつもりでした。自分の気持ちもあるが、子どもさんに寄り添いながら、ある方向へ導くのが私の仕事だと心得て長い間勤めて来ました。それが、その歯医者は患者さんの立場よりも自分の利益を優先しているように思えました。結局、私はその歯医者をやめ、他の歯医者を選ぶことにしました。その歯医者さんを見ていて、一体、医の倫理はどこにいったのでしょう。算術の論理にすり替わっているように感じました。また、そのことから、保険制度があることで、必要以上に医療費が無駄になっているように感じました。皆さんから集めた大切なお金です。無駄遣いのないように使ってもらいたいものです。

 また、先日、十数年ぶりに喉風邪を患い、ある医者にかかりました。かかる以上お医者さんを信頼したいのですが、熱もないのに、熱さましの薬が出ました。そこには副作用の説明も載っていました。ですので、熱が無いことを薬剤師に説明して、その薬はやめにしてもらいました。他にも数種類の薬が入っていました。結局、1週間薬を飲みましたが、一向に快方に向かいませんでした。結局、自然に治ってしまったようです。

 久しぶりにお医者さんにかかってびっくりしたことに、最近はやたらと多くの薬が出ているのです。昔は薬の量もそんな多くなかったと記憶しています。大半は待っていれば自然に治るものを、すぐ、医者に掛かり過ぎに感じます。その関連で患者さんも多いせいもあるでしょうが、診察時間は短く、質問する時間もあまり取れず、薬だけはたくさん出ました。医薬分業となり久しい訳ですが、その結果、薬の量が昔より遙かに多くなり、薬漬けになっている医療はいったいどうなっているんだろうと考えてしまいます。製薬会社の政治的な力も陰で働いているなと勘ぐってしまいます。

 持論ですが、薬は多く飲み過ぎると、何が原因で病気になったのかが分かりにくくなるようです。薬の結果、直ったのか、ほっておいても自然治癒力で直ったのかの見定めができなくなるのです。はてまた、薬の種類が多いとその薬がどう関連しあっているのかもわかりにくくなります。ですので、私は基本的にはちょっとの事では、あまり病院には行かないように心がけています。薬を飲めば飲むほど、本来人間が持っている自然治癒力が分からなくなってしまうからです。親からもらった大事な体が薬漬けになってしまっては申し訳がないのです。しかも、その薬を飲んでも効果がない場合が多々あります。効く薬か、効かない薬かを試されているのはごめんです。その結果、やたらと、薬の種類も多くなるようです。医療の無駄もここまでくると困ったものです。知識のない患者さんがいいかもです。その薬が効かなければ、次はこの薬をやってみましょう。などと、およそ、診療でなく、薬の人体実験をやらされている感じです。薬でなおすなら、医者はいりません。薬剤師だけでいいことになってしまいます。今のやり方ですと、もっと、薬剤師にも権限を与えて、薬だけの病院もあってもいいなと感じてしまいます。そうすれば、お医者さんの多忙化の改善にもなるでしょう。医療の規制緩和が必要です。

 また、病気も益々複雑化し、得体の知れない病気も増えて来ています。医学の進歩も追いついていかないようです。患者さんは生まれた時から、自分と共に成長して来ていますので、もっと、もっと、医学について見識を高めておく必要があるなと、この年になって、感じています。結局、自分の体のことは自分が一番分かっているのです。そこに、医者や薬がどう関わって来るかが大切なことではないでしょうか。そういうスタンスで、病院に行くことが大切です。何でも医者や薬に任せるのではなく、自分なりの識見を持って臨むことです。

 最近の記事では人間ドックの正常値の値も色々変化しているようです。40歳の頃、人間ドックで中性脂肪が多いので、すぐ病院にいって処置をしてくださいと言われたことがありました。しかし、それを無視していました。その結果はどうでしょう。72歳になった今でも、健康ではありませんか。あのときの、ことはなんだったのかと今でもよく思い出されます。最近、中性脂肪値が多い方が長生きしているという論文も出回るようになって来ています。何が正しいのか分からないことだらけです。中性脂肪値が高くても健康な人もいますし、正常値でも不健康な人もいます。また、血圧も一斉に130以上が高血圧といっていますが、現実には150位の高血圧の方が長生きしている説も出回っています。血圧だけで人は亡くなるのでもありません。血のめぐりが悪くて認知症になったら元も子もないです。人間の体は血圧ばかりでなく色々な要素で成り立っています。そのことを考えることが大事です。健康な体なら、自分の中で薬に相当する物質も作りだせるようです。それこそが一番のその人にあったくすりでしょう。

 今の世の中は何でも専門分野が決まっていて、その専門から、物を考えます。一番大切なことは人間そのものを俯瞰してとらえることです。その中での血圧であり、中性脂肪値でもあります。やはり、自分の体は常日ごろから自分でしっかり管理するのが王道です。人には寿命という神様が決めてくださったものがあります。この寿命を快く受け入れてゆく度量こそ、一番大切なことではないでしょうか。過剰医療の問題もその辺にあるのではありませんか。

 また、50歳位のときでしたが、糖が出ているからと言うことで再検査があり、女房も呼ばれ、食事療法の指導もありました。その後、今迄、何の問題も無く、検査値も正常できています。多分そのときは検査方法に問題があったのでしょう。心配しただけ馬鹿を見た思いでした。あれ以来、検査結果に一喜一憂する方が体に悪いということを学びました。最近は自分の寿命は神様に委ねることに決めました。それ以来、気持ちはだいぶらくになりました。人生は為るようになり、為るようにしかならないのです。後は人智を尽くして天命を待つ心境です。

 
 
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