想い続けることができれば、その想いはいつか成就する

その日その日感じたことを詩、エッセイ、短歌、日記でつづります。野菜も育ててます。

老いをどう捉えたらいいの?

2021年05月03日 | エッセイ
コロナ2年5月3日

 オギャーと言って、生まれて来たのが昨日の様にも感じますが、齢74歳を迎えますと、毎日、鍛えているとはいえ、肉体は確実に劣化しているなと感じます。
 植物を見ていいてもよくわかりますが、若芽は可塑性があり、柔らかく、弾力に富んでいます。特に生長点といわれる芽の先はウイルスにもかかることもなく、そこがやられない限りすくすく成長していきます。
 老いるということは、単に年を取る事でなく、肉体としての物質が、硬くなっていくことだなと最近気がつきました。俊敏な行動ができにくくなり、体も思うように動かなくなります。きっと頭の中の細胞も硬くなっているのだろうなと推測されます。
 若くいたいなら、少しでも、体と頭を動かして体液の流れをスムーズにし、その老化の速度を遅くするしか術はありません。
 自分を振り返ってみても、精神は永遠に可塑性に溢れているなと実感しています。何故なら、それは物質ではないからです。物質は必ず最後は硬直化して個としての生命を終わりますが、精神は物質ではない為老いはありませんし、形も容積もありません。精神には死もないと想います。
 さて、不老長寿の薬を永遠に求めたいといいう欲望をよく聞きますが、それは単に、自分よがりな生き方だと想います。老いの来ない生命体はありません。それが自然なのです。物質である肉体は老いから離れられません。
 生物はよく観察していますと、生まれた時は非常に柔らかく可塑性に富んでいますが、やがて老いが始まると硬くなっていきます。周りをよく観察すれば気づくことです。そして、ついにその可塑性もなくなる時がその生命体の個としての死だなと想います。
 しかし、また、その死は広く客観的に自我を離れて想うと、それは新しい命に代わっていく瞬間でもあります。植物は種を残し、新しい命につなげて次世代へとバトンタッチしてゆきます。人間も個人としては死を迎えますが、人類というくくりでとらえますと、個としての自分は亡くなりますが、種としては繋がっていくのです。
 新憲法の影響か、どうも、最近の風潮として、個が大きくとらえられ過ぎている気がして心配をしてます。しかし、詰まるところ、それは公共の福祉のバランスの上に成り立っています。コロナも人類のエゴが招いているようにも想えるのです。個に偏り過ぎている所に諸悪の根源があるのです。
 個としての死は新しい世代交代でもあるのです。そうして生命はその種を繋いで来ているのであります。このことが大切で、個人は死を持って終わりを告げますが、種としてみた時、それは連綿として次世代に繋がっているのであります。   
 個人としての終わりはありますが、種としては繋がっていくという事が大切です。ですから、個としての死は新しい命への旅立ちでもあるのです。過去から連綿として繋がって来た遺伝子に組み込まれて、また、次世代に繋がっていっているのです。死は新しい生命への旅立ちの日でもあるのです。死はその瞬間新しい命と置き換わるのです。
 それが、プラス思考という考え方です。これからも、この考えを持って日々自分を磨いていくつもりです。そして、次世代へバトンタッチしてゆきます。

 まだ、20代で勤労学生の頃、基本的人権や憲法を勉強していた頃がありました。その中で、今でも残っている言葉がこの「公共の福祉」という言葉でした。含蓄のある言葉だなと今でも心に残っていました。
★★★ 
「公共の福祉」とは,「社会全体の共通の利益」であり,「ほかの人の人権との衝突を調整するための原理」です。
この「公共の福祉」という言葉は,日本国憲法の中で使われています。

日本国憲法では,基本的人権が保障されています。
基本的人権には「平等権」「自由権」「社会権」などがあり,さまざまな権利が認められています。たとえば,「教育を受ける権利」「表現の自由」「信教の自由」など,これらはすべて基本的人権として保障されています。

しかし,これらの権利をすべての人が勝手に主張したら,ほかのだれかの基本的人権を奪うことになってしまうかもしれません。

このようなことを防ぐために,日本国憲法は第12条の後半で次のように定めています。
「国民は,これを濫用(らんよう)してはならないのであって,常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」
「これ」とは,憲法で保障されている自由や権利(基本的人権)のことです。基本的人権は自分ひとりだけのものではないので,わたしたち国民は,他人の権利を侵害するような権利の使い方(=権利の濫用)をしてはいけません。国民には,社会全体がよくなる(=公共の福祉)ように,権利を利用する責任があります。
 どちらに組することもなく、個人の人権と公共の福祉のバランスが大切だと憲法では言っているようです。 
コメント
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