ひきつづき拉致問題について。
2002年12月福井県議会・予算特別委員会でわたしは拉致問題をとりあげた。きっかけは、地元紙「福井新聞」の記事。内容は、「県警は1970年代から、いわゆる北朝鮮の工作員の出入国、あるいは日本国内での活動を監視するという体制をとっていた」「県警の北朝鮮関係の講習会が開かれており、1979年か1980年ごろには拉致がテーマになって、小浜市の事件も内部では拉致事件だということでほぼ確定という認識だったということが警察官によって証言されている」。
講習に参加した捜査員は「ああ、だからいくら捜しても見つからないのだ」と思ったそうだ。
8年~9年ぐらい被害者家族・国民に情報が隠されていたのか。思わず新聞社に電話して担当記者に話を聞いて信憑性を確認した。その記者氏からも「県議会でも取り上げていただくことが必要です」と言われた。
もし「空白の8~9年」がなく、北朝鮮にたいして要求していたら、田口さん、横田さんも今頃日本で生活できていたかもしれない。
「日朝平壌宣言」は評価しつつも、自民党政治の罪は重い、と思う。
以下は、2002年の私の県議会質問です。
★
◯佐藤委員 県警本部長に、拉致問題について何点か伺う。
まず、この拉致が疑惑ではなく実際の犯罪ということになったが、捜査状況と、今後の捜査の方針はどうなっているのか。
◯県警本部長 県警としては、事案の全容解明のため現場周辺の状況や過去の捜査資料の精査など、警察庁初め各県警等とも緊密な連携をとって所要の捜査を推進しているところである。
◯佐藤委員 県警として、これは全国一本かもしれないが、今回の事件が北朝鮮による犯行の疑いだということを認識した時期はいつなのか。また、北朝鮮による犯行だと確定した時期はいつなのか。
◯県警本部長 疑いといっても、疑いには濃淡がある。また、確定というのもいろいろな解釈の仕方があるのではないかと思う。
まず、疑いという点であるが、例えば本県にとってみると、小浜で拉致された当時は本当に行方不明なのかどうなのか全くわからなかった。しかし翌昭和54年には富山で未遂事件が起こっている。さらに昭和55年には国会で質問があり、このときの答弁、あるいはサンケイ新聞の報道等でそのような疑いもほのめかされている。また、昭和52年に、石川県で宇出津事件の検挙もあったので、当時からある程度そういう疑いは視野に入れておくべきことではなかったかと思う。
それから確定であるが、国の最高責任者である人が犯行を自認したわけであるので、それはもちろん大きな要素であるが、捜査機関としてはきちんと全容を解明するというか、被疑者を特定し、訴追し、裁判で確定すれば、それで確定ということだが、今のところまだそこまでには至っていないため、一生懸命やっているところである。
◯佐藤委員 先日、12月5日付の福井新聞に掲載された記事だが、これを読んで私は非常に衝撃を受けた。これには二つのポイントがある。一つは、県警は1970年代から、いわゆる北朝鮮の工作員の出入国、あるいは日本国内での活動を監視するという体制をとっていたということ。二つ目が、県警の北朝鮮関係の講習会が開かれており、1979年か1980年ごろには拉致がテーマになって、小浜市の事件も内部では拉致事件だということでほぼ確定という認識だったということが警察官によって証言されているわけだが、これについてはどういう見解か。
◯県警本部長 新聞記事がどういう内容であるかはともかくとして、先ほど疑いの濃淡ということを申し上げたが、昭和63年の国会で北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚と言っているし、少なくとも北朝鮮による対日有害活動においては検挙の都度公表もしており、その辺はそういった状況を総合的に判断し、その都度適切に状況を訴えてきたのではないかと思う。
◯佐藤委員 今おっしゃったように、昭和63年の国会で、当時の本庁の警備局長並びに当時の梶山国家公安委員長が、北朝鮮による疑いが濃厚だということで、一連の事件を初めて認められた。私が思うのは、この間、家族の方は必死の思いで探されていたわけである。その家族の方に対してこういう情報が全く提供されなかったのか、あるいは部分的にでももっと早目に何らかの形で提供されていれば、大変苦労をされて、あちこち占いに回ったり浜辺を探し回ったり、無駄とは言わないが、もう少し的を絞れることになったのではないか。その辺についてはどうか。
◯県警本部長 国会の場で、国としてきちんと北朝鮮の疑いではないかというような態度決定がなされていない以上、例えば県警として、あるいは捜査官個々として北朝鮮の疑いであるというふうに断定的なことを申し上げるというのは、立場としては余り適当ではなかったのではないかと思う。
◯佐藤委員 本部長が言われることもよくわかる。だから日本共産党も国会質問では何回か取り上げてきており、ある意味では警察に対して、また政府に対して叱咤激励をしてこの問題をきちんと解明して、そして御家族の皆さんに提供できるようにということで頑張ってきたわけである。だからこういう事件が二度と、もちろん起こってはならないし、日本の国の主権が侵されるような、ひどい事件であるから、ぜひ、本部長言われたように、全容を解明し訴追し裁判にかけるという点で、時効はとまっているという認識でいいか。
◯県警本部長 被疑者が海外にいれば時効はとまっているということである。ただ、そのことについてもきちんと捜査をしなければ解明できたことにはならない。とまっている、とまっていないということも、まさに確定するには至っていない。
◯佐藤委員 今後の捜査等を期待する。
2002年12月福井県議会・予算特別委員会でわたしは拉致問題をとりあげた。きっかけは、地元紙「福井新聞」の記事。内容は、「県警は1970年代から、いわゆる北朝鮮の工作員の出入国、あるいは日本国内での活動を監視するという体制をとっていた」「県警の北朝鮮関係の講習会が開かれており、1979年か1980年ごろには拉致がテーマになって、小浜市の事件も内部では拉致事件だということでほぼ確定という認識だったということが警察官によって証言されている」。
講習に参加した捜査員は「ああ、だからいくら捜しても見つからないのだ」と思ったそうだ。
8年~9年ぐらい被害者家族・国民に情報が隠されていたのか。思わず新聞社に電話して担当記者に話を聞いて信憑性を確認した。その記者氏からも「県議会でも取り上げていただくことが必要です」と言われた。
もし「空白の8~9年」がなく、北朝鮮にたいして要求していたら、田口さん、横田さんも今頃日本で生活できていたかもしれない。
「日朝平壌宣言」は評価しつつも、自民党政治の罪は重い、と思う。
以下は、2002年の私の県議会質問です。
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◯佐藤委員 県警本部長に、拉致問題について何点か伺う。
まず、この拉致が疑惑ではなく実際の犯罪ということになったが、捜査状況と、今後の捜査の方針はどうなっているのか。
◯県警本部長 県警としては、事案の全容解明のため現場周辺の状況や過去の捜査資料の精査など、警察庁初め各県警等とも緊密な連携をとって所要の捜査を推進しているところである。
◯佐藤委員 県警として、これは全国一本かもしれないが、今回の事件が北朝鮮による犯行の疑いだということを認識した時期はいつなのか。また、北朝鮮による犯行だと確定した時期はいつなのか。
◯県警本部長 疑いといっても、疑いには濃淡がある。また、確定というのもいろいろな解釈の仕方があるのではないかと思う。
まず、疑いという点であるが、例えば本県にとってみると、小浜で拉致された当時は本当に行方不明なのかどうなのか全くわからなかった。しかし翌昭和54年には富山で未遂事件が起こっている。さらに昭和55年には国会で質問があり、このときの答弁、あるいはサンケイ新聞の報道等でそのような疑いもほのめかされている。また、昭和52年に、石川県で宇出津事件の検挙もあったので、当時からある程度そういう疑いは視野に入れておくべきことではなかったかと思う。
それから確定であるが、国の最高責任者である人が犯行を自認したわけであるので、それはもちろん大きな要素であるが、捜査機関としてはきちんと全容を解明するというか、被疑者を特定し、訴追し、裁判で確定すれば、それで確定ということだが、今のところまだそこまでには至っていないため、一生懸命やっているところである。
◯佐藤委員 先日、12月5日付の福井新聞に掲載された記事だが、これを読んで私は非常に衝撃を受けた。これには二つのポイントがある。一つは、県警は1970年代から、いわゆる北朝鮮の工作員の出入国、あるいは日本国内での活動を監視するという体制をとっていたということ。二つ目が、県警の北朝鮮関係の講習会が開かれており、1979年か1980年ごろには拉致がテーマになって、小浜市の事件も内部では拉致事件だということでほぼ確定という認識だったということが警察官によって証言されているわけだが、これについてはどういう見解か。
◯県警本部長 新聞記事がどういう内容であるかはともかくとして、先ほど疑いの濃淡ということを申し上げたが、昭和63年の国会で北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚と言っているし、少なくとも北朝鮮による対日有害活動においては検挙の都度公表もしており、その辺はそういった状況を総合的に判断し、その都度適切に状況を訴えてきたのではないかと思う。
◯佐藤委員 今おっしゃったように、昭和63年の国会で、当時の本庁の警備局長並びに当時の梶山国家公安委員長が、北朝鮮による疑いが濃厚だということで、一連の事件を初めて認められた。私が思うのは、この間、家族の方は必死の思いで探されていたわけである。その家族の方に対してこういう情報が全く提供されなかったのか、あるいは部分的にでももっと早目に何らかの形で提供されていれば、大変苦労をされて、あちこち占いに回ったり浜辺を探し回ったり、無駄とは言わないが、もう少し的を絞れることになったのではないか。その辺についてはどうか。
◯県警本部長 国会の場で、国としてきちんと北朝鮮の疑いではないかというような態度決定がなされていない以上、例えば県警として、あるいは捜査官個々として北朝鮮の疑いであるというふうに断定的なことを申し上げるというのは、立場としては余り適当ではなかったのではないかと思う。
◯佐藤委員 本部長が言われることもよくわかる。だから日本共産党も国会質問では何回か取り上げてきており、ある意味では警察に対して、また政府に対して叱咤激励をしてこの問題をきちんと解明して、そして御家族の皆さんに提供できるようにということで頑張ってきたわけである。だからこういう事件が二度と、もちろん起こってはならないし、日本の国の主権が侵されるような、ひどい事件であるから、ぜひ、本部長言われたように、全容を解明し訴追し裁判にかけるという点で、時効はとまっているという認識でいいか。
◯県警本部長 被疑者が海外にいれば時効はとまっているということである。ただ、そのことについてもきちんと捜査をしなければ解明できたことにはならない。とまっている、とまっていないということも、まさに確定するには至っていない。
◯佐藤委員 今後の捜査等を期待する。