monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

八月十五夜/中秋の月

2010年08月15日 | 日本古典文学-和歌-秋

暮るるよりおなじ空とも見えぬかな秋の今宵(こよひ)の山の端の月(続後撰和歌集)

月かげはおなじ山よりいづ れども秋のなかばは照りまさりけり(二条太皇太后宮大弐集)

心ありて雲ふきはらへ天津風(あまつかぜ)秋のなかばのもちづ きの空(元応二年八月十五夜月十首)

水の面(おも)に照る月なみをかぞふればこよひぞ秋のもなかなりける(拾遺和歌集)

名に高きこよひや秋の中空(なかぞら)にひかりみちたる月のさやけさ(新拾遺和歌集)

名にしおふ秋のこよひのしるしとやことにくまなく月も澄むらむ(元応二年八月十五夜月十首)

いづ くにも今宵の月を見る人のこころやおなじ空にすむらむ(金葉和歌集)

わすれじな今宵ぞ中の秋の空さやけき月はまたも見るとも(後崇光院御百首)

初雁のつらこそ見えね秋もはやなかば暮れぬるもちづ きの空(元応二年八月十五夜月十首)


駒迎(こまむかへ)/駒牽(こまひき)/望月の駒(もちづきのこま)

2010年08月15日 | 日本古典文学-和歌-秋

あづ まより今やひくらむくもりなき御代(みよ)のためしの望月の駒(宗良親王千首)

あづ ま路(ぢ)をはるかにいづ る望月の駒にこよひやあふさかの関(金葉和歌集)

逢坂(あふさか)の関の清水にかげ見えて今やひくらむもちづきの駒(拾遺和歌集)

逢坂の関の小川にひきとめてしばし水かへ望月の駒(建保名所百首)

関水(せきみづ)のかげもさやかに見ゆるかなにごりなきよの望月の駒(文治六年女御入内和歌)

逢坂の関の杉むら葉をしげみたえまにぞ見る望月の駒(堀河百首)

逢坂の関の岩かどふみならし山たちいづる桐原の駒(拾遺和歌集)

ひく駒や近くなるらし逢坂の関の岩かどおとひびくなり(文治六年女御入内和歌)

いくたびか駒ひく秋をむかへこし逢坂山の関の旅びと(蒙求和歌)

これぞまた千歳(ちとせ)の秋のためしかな今日ことにひく望月の駒(正治二年後度百首)