まめなれとよきなもたたすかるかやのいさみたれなむしとろもとろに
(古今和歌六帖~日文研HPより)
夕風の吹もみたらはいかゝせんまかきあれたる庭の苅萱(蒙求和歌~続群書類従15上)
あきかせののちいかならむかるかやのふかぬさきよりみたれぬるかな
(正治初度百首・隆房~日文研HPより)
堀河院御とき、百首のうたたてまつりける時、かるかやをよみ侍りける 大納言師頼
秋くれはおもひみたるるかるかやのした葉や人の心なるらん
(千載和歌集~日文研HPより)
浅茅生の小野のかるかやたれゆへに乱れんとてか秋風のふく
(宗尊親王三百六十首)
雑御歌の中に 院御製
何しかも思ひみたるゝ露ふかき野へのをかやのたゝかりの世を
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
なにとなくこころほそきはかるかやのはすゑみたるるかせにそありける
(久安百首・郁芳門院安芸~日文研HPより)
紫の薄様なりけり。墨、心とめておしすり、筆の先うち見つつ、こまやかに書きやすらひたまへる、いとよし。されど、あやしく定まりて、憎き口つきこそものしたまへ。
「風騒ぎむら雲まがふ夕べにも忘るる間なく忘られぬ君」
吹き乱れたる苅萱につけたまへれば、人々、
「交野の少将は、紙の色にこそととのへはべりけれ」と聞こゆ。
「さばかりの色も思ひ分かざりけりや。いづこの野辺のほとりの花」
など、かやうの人々にも、言少なに見えて、心解くべくももてなさず、いとすくすくしう気高し。
(源氏物語・野分~バージニア大学HPより)