馬酔木なす栄えし君が掘りし井の石井の水は飲めど飽かぬかも
(あしびなす,さかえしきみが,ほりしゐの,いしゐのみづは,のめどあかぬかも)
(万葉集~バージニア大学HPより)
しかの山こえにて、いしゐのもとにてものいひける人のわかれけるをりによめる 貫之
むすふてのしつくににこる山の井のあかても人にわかれぬるかな
(古今集~日文研HP)
山寺なる石井によりて、手にむすびつつ飲みて、「この水のあかずおぼゆるかな」といふ人のあるに、
奥山の石間の水をむすびあげてあかぬものとは今のみや知る
といひたれば、水のむ人、
山の井のしづくににごる水よりもこはなほあかぬ心地こそすれ
(更級日記~新編日本古典文学全集26)
わくかこと-めにはみゆれと-わかやとの-いしゐのしみつ-ぬれまさりけり
(古今和歌六帖~日文研HP)
別れにし石井の水のますかかみあかぬかけさへなとにこるらむ
(光明峰寺摂政家歌合~日文研HP)
むすふての-あかぬしつくも-かけみえて-いしゐのみつに-とふほたるかな
(新後拾遺集~日文研HP)
たまほこや-いしゐのしみつ-てにむすひ-かくてもなつは-すきぬへきかな
(俊成五社百首~日文研HP)
石井筒
あふことは-かたやまかけの-いしゐつつ-むすふこころは-いつかとくへき
(右兵衛督家歌合~日文研HP)
泉をよめる
いしゐつゝ隙もる水にたはふれてつてにも夏を聞わたる哉
(散木奇歌集~群書類従15)
いしゐつつ-むすふしつくの-ささなみに-うつるともなき-ゆふつくよかな
(鴨長明集~日文研HP)
井氷
夜はにたか汲みししつくそ石ゐつつあまるたるひと今朝はなるらん
(草根集~日文研HP)