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うつせ貝

2021年08月27日 | 日本古典文学-禽獣魚虫

うつせがひ(空貝・空背貝・虚貝・虚背貝)

題しらす 土御門院御製 
伊勢島や/みるめにましる/うつせ貝/あはてしほるゝ/袖そかなしき 
(続後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより) 

思ひいつやあふことかたのうつせかひはなれかたくて過し昔を
(登蓮法師恋百首~続群書類従14下)

いせのうみの-なみにたたよふ-うつせかひ-あはぬうきなの-みをうらみつつ
(洞院摂政家百首-範宗~日文研HPより)

堀川院に、百首歌たてまつりける時 大納言師頼 
思ふ事/ありそのうみの/うつせ貝/あはてやみぬる/名をやのこさん 
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより) 

たぐふべき方も渚のうつせ貝くだけて君を思ふとをしれ
(源平盛衰記~バージニア大学HPより)

(こひのうたのなかに) 平通時 
逢事は/なみよる礒の/うつせ貝/つゐにくたけて/物思へとや 
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより) 

うつせかひ-かひこそなけれ-おきつなみ-たかしのはまに-くたくこころは 
(春夢草~日文研HPより)

わかこひは-あまもすさへぬ-うつせかひ-いくしほぬれて-としのへぬらむ
(林葉集~日文研HPより)

(たいしらす) 藻壁門院但馬 
数ならぬ/みくつにましる/うつせ貝/ひろふにつけて/袖そしほるゝ 
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより) 

いほ崎の/こぬみの浜の/うつせ貝/もにうつもれて/いく世へぬらん 
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより) 
(しゆつくわいのこころを) 俊頼朝臣 

題しらす 好忠 
浪のうつ/みしまの浦の/うつせ貝/むなしきからに/*我や成なん/*5我や成らんイ 
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

 逢ひがたかりける女のあたりなる人にいひ侍りける 海人(あま)の刈る藻の権大納言
袖のうらに波寄せかくるうつせ貝むなしきからになりや果てなむ
(風葉和歌集~岩波文庫「王朝物語秀歌選」)

いけるみの-はてはさなから-うつせかひ-むなしきからや-よよにとまらむ 
(新撰和歌六帖-知家~日文研HPより)

(ふみにかかむによかるへきうたとて、としつなのあそんひとひとによませはへりけるによめる) 藤原国房 
から衣/そてしの浦の/うつせ貝/むなしき恋に/としのへぬらむ 
(後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

よしおもへあまのひろはぬうつせかひむなしきなをはたつへしや君
(大和物語~国文学研究資料館HPより)

 世(よ)にそらごとをいはれてなげくに、文(ふみ)おこせがかたく侍人のたえてをとづれねば
うかりける身のうの浦のうつせ貝むなしき名のみたつは聞(きき)つや
(馬内侍集~「和歌文学大系54」明治書院)

すみよしの-はまによるてふ-うつせかひ-みなきこともて-わかこひむやも 
(古今和歌六帖~日文研HPより)

名こそ惜しけれ忘れはてなば
 あさりする汐干のかたのうつせ貝
(菟玖波集-後深草院少將~バージニア大学HPより)

えならぬ州浜の三間ばかりなるを、うつほに作りて、いみじき小箱を据ゑて、いろいろの貝をいみじく多く入れて、上には白銀、こがねの、蛤、うつせ貝などを、ひまなく蒔かせて、(略)
(堤中納言物語~「新編日本古典文学全集」)

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