題しらす 近衛院御歌
このねぬる夜のまの風やさえぬらん筧の水のけさはこほれる
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
わかいほのたけのかけひのよのほとにこほりそめてやおとつれもせぬ
(亀山殿七百首~日文研HPより)
たいしらす 宗久法師
今朝みれは竹のかけひを行水のあまるしつくそかつこほりぬる
(新拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
一品聡子内親王仁和寺に住侍りける冬比、かけひのこほりを三のみこのもとにをくられて侍けれは、つかはしける 輔仁のみこ
山さとのかけひの水のこほれるはをと聞よりもさひしかりけり
返し 聡子内親王
山さとのさひしき宿の栖にもかけひの水のとくるをそまつ
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
よをのかれてくらまのおくに侍りけるに、かけひこほりて水まうてこさりけり、はるになるまてかく侍るなりと申しけるをききてよめる
わりなしやこほるかけひの水ゆゑにおもひすててしはるのまたるる
(山家集~日文研HPより)
やまさとのかけひのみつもおとたえぬたにのをかはやいまこほるらむ
(永享百首~日文研HPより)
山河のおのか氷にせかれつつかけひの水の末そもりこぬ
(宝治百首~日文研HPより)
たにかはのいはうつおとのたえぬるはむすふつららやなみのしからみ
(明日香井集~日文研HPより)
こほり
声さへもたえにけるかな水上の滝の糸すぢとどこほりつゝ
(大弐三位集~岩波文庫「紫式部集」)
百首歌奉りし時、氷 前中納言実遠
落滝つくたくる波は岩こえてゆくせにこほる山河の水
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
氷を 関白前左大臣
はやきせにめくるみなはのうきなからこほりてとまる山河の水
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
百首の歌めしける時、氷の歌とてよませ給ふける 崇徳院御製
つらゝゐてみかける影の見ゆるかなまことに今や玉川の水
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
氷をよみ侍ける 権大納言顕朝
冬くれはすさの入江のこもりぬも風さむからしつらゝゐにけり
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
風さえてよすればやがてこほりつゝかへる波なき志賀の唐崎
(山家和歌集~バージニア大学HPより)
正治百首歌奉りける時、氷を 源具親朝臣
霜はらふ真柴の嵐音さえて野守の鏡つらゝゐにけり
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
かものゐるいはねのいけのうすつららむらむらなれやとけみとけすみ
(頼政集~日文研HPより)
石間薄氷
冬はまた石まの水のうは氷あはに結ふをとく日かけかな
(草根集~日文研HPより)
題しらす 好忠
高瀬さす淀の汀のうすこほりしたにそ歎く常ならぬ世を
(続後撰遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
冬歌の中に 前大僧正忠源
うす氷あやうき身とは思へともふみ見て世をもわたりけるかな
(新後撰遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
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