亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米国の戦いは続く(とともに金価格の上下動も続く)

2005年09月20日 11時45分33秒 | 金市場
(11:27)昨日は昼間の時間帯から深夜まで値動きを見ていた。アジアの時間帯からジリジリしていたが、ロンドン時間に移行してから、何かが吹っ切れたような動きで、NYに移ってほんとうに糸が切れた凧状態になった。ついにスポットでも470ドルまであり466~467ドル程度。NYコメックス(12月もの)では472.40まで見て引けは470.4ドル軽く470ドルを突破してきた。17年ぶりの高値とメディアは盛んに報じている。この470ドルあるいはチャート分析からは472ドルというのが目標値だったが、あっさりと到達してしまった。この間までの値動きの重さは何だったんだ?ということだが、動き出せばこんなもの。先週もセミナーで「値位置が変わるだけで投資家の見方もガラッと変わって、この間までの迷いは何だったんだというくらい市場の雰囲気も変わる」と話したが、発行体の無い(信用リスクがない)金に値位置を計るモノサシはなく、センチメントひとつということ。短期分析はそのセンチメントの風向きをどう読むのかということになる。まぁ、それが簡単ではないのだけど。

週末に「だからポスト・カトリーナから関心が離れない」と書いたが、ブッシュ政権がニューオリンズの失策の汚名挽回になりふり構わず復興資金をつぎ込むという見通しから、(欧米メディアはblank check白地小切手という表現を使っている)、やはり財政赤字の行方に関心が集まり始めた。ルーズなカネの使い方が展開されそうだ。

中間選挙が来年に迫っているというタイミングの悪さが、こうした流れに拍車をかけ、米国を、そしてドルを蝕んでいく。2000年以降、米国が巻き込まれている悪循環のひとつの表れと思う。金が買われる最大の背景が、これ。そういう認識を持つ人は少ない。いずれ判るだろう。もちろん事態は、ゆっくりと進む。

休みモードを決め込んだかに見せた原油やガソリンは新たなハリケーン発生に飛び起きた恰好。それが天然ガスにまで飛び火して燃え上がっている。さすがにインフレかという気運も出てきた。これも金のセンチメント形成要素。

今夜のFOMCは難しい判断を迫られる。

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