亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

通貨覇権の変化を示すユーロ建て原油取引

2007年03月25日 00時02分09秒 | トピック
本日は午後、東京は大手町のKDDIホールにて90分間話をさせてもらった。話の導入部分に今週発表された日銀の資金循環で個人金融資産が1540兆円になり、わずかながら預貯金の比率が下がっているという話と、昨日(・・・本日だった)コメント欄にあった金に対する関心も上がっているという話題の背景にありそうなものを推論という形で紹介した。さてさて、昨夜の続きで原油の非ドル建て取引の話。イランが出した提案は、米国を牽制するという外交材料としての要素の濃いものではないかと思われる。ただし同時に原油収入がドル建てであるばかりに失う利益の多いのも事実なので、その両面ということだろう。原油のドル以外での取引について熱心なのはプーチン・ロシア。シュレーダー前ドイツ首相との間では、ユーロ建ての取引についてかなり具体的な議論がされていたというレポートを読んだことがある。この二人は個人的にも非常にウマが合うとかで、シュレーダー前首相はプーチンの紹介でロシア人の少女を養子にして育てているほどの関係という。結局、ユーロ建て取引が実現する前に選挙の結果シュレーダー政権は、アンゲラ・メルケル政権に取って代わられた。いまではバルト海をロシアからドイツに通した石油パイプラインの監査役会長(?)という役職にシュレーダーは座っているという。昨年は、やはりプーチン・ロシアの働きかけが中国にあり、シベリア原油のルーブルあるいは人民元での輸出を提案したのと話もあった。かつては「産業の米」と表現された石油(原油)だが、最近では代替エネルギーの開発など多少の地盤沈下はあれ、やはり原油がドル建てで取引されるか否かは、ドルの基軸通貨としての地盤を侵食する可能性のある話ではある。プーチンロシアは政治的な駆け引きとして使っている感が強いが、ユーロの流通圏が広まればユーロ建て取引の合理性も高まりそうだ。こうした取引の中に通貨覇権の変化も反映されてくるということ。それが起きるのか起きないのか。非ユーロ圏での原油のユーロ建て取引が見られたときが転機となるのだろう。為替の材料もまた範囲が広いのである。これも金の材料ということは、金の材料も同じように広いということ。

午後に仕事を控え、本日は午前中に先日とおなじく近くの川沿いの公園を1時間程度歩いてみた。先日と同じ場所で撮った写真がこれ。開花の数が多い木なので、周りがみんなこの状態ではないが、ずいぶん開花したというイメージ。これでも全体には1分咲き程度。開花は早いとされてきたが、やはり3月に入ってからの寒の戻りで、満開の時期は平年並みになりそう。。

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2 コメント

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カナダ金鉱株 (kinnkou)
2007-03-25 13:25:49
亀井先生には多方面にわたる誠実なる情報の発信を頂ありがたく拝見させて頂いております。

チョット主題がそれるかと思いますが。
金の値段が上がると金を掘っている会社又は金鉱脈を探している会社。はそれ以上の上昇率になるだろうと2000年頃にカナダ市場の金鉱株を買いました。金価格1000円でした。現在約2.5倍 カナダ金鉱株現在約5倍位で倒産した
会社も。値上がりしてない会社ありますが10倍になった会社もありますが。
これからも金の現物を買うよりもリスクは在りましょうがパフォオマンスも大きいでしょう 新規公開株式や新規募集株 ワラント付き等あり。分散投資の
一つとして。 

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要注意!! ()
2007-03-25 17:18:18
金鉱株や開発会社の株式も玉石混交でしょう。最近の日本でもマザーズやヘラクレスなどを見ていて分かるように昔に比べると上場基準は甘くなっているのです。海外の株式市場とて同じ。

海外市場に上場しているから信用できると素直に思い込まないこと。まして「金が上がっていますよね。海外市場で上場予定の金鉱山の新規公開株が特別に手に入ります」などという話は、まずは疑うくらいでいいでしょうね。
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