亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

アイオワ結果出ず・・・・ネットロングの要塞の攻防戦に突入のNY金

2020年02月04日 21時04分26秒 | 金市場
米アイオワ州の民主党党員集会が揉めている。知られているように、ここでの指名獲得で勢いをつけて基盤を作り、7月の全国大会にて指名を受け、そのまま本選でも勝利というサクセス・ストーリーが過去いくつかあったことから注目度は高く、各候補者も力を入れているのは報道されているとおり。しかし、党員集会の集計システムを今回から変えたものの、それがうまく稼働しないということのようで、導入したアプリに問題ありと報じられている。アプリとなると、外部から何らかのアクセスがあったのか。。いずれにしても、3時間で大勢が判明するとされていたが当日中は間に合わず、日本時間の4日20時時点でも結果が判明せずというお粗末な内容に。民主党はスタートでつまずくことになった。こうした不備をトランプ陣営に徹底的に突っつかれることになる。

今年の米大統領選は20年前の選挙のように大接戦になるとみていて、どちらが勝ってもクレームをつけるような展開になるのではと思う。アル・ゴアと子ブッシュの選挙の時は、大票田のフロリダの集計がうまく行かず、しかも大接戦で結局投票日から1カ月間次の大統領が決まらず、最終的に裁判所が決定という展開になった。ブッシュ共和党政権が生まれることになったが、それまでのルービン・サマーズという財務長官が前面に出てのクリントン政権とは異なり、ラムズフェルド国防長官が表に出る政策運営にがらりと流れが変わり、アフガンからイラク戦争に進んで行ったのだった。その過程で、足元で引き合いに出されているSARS(重症急性呼吸器症候群)が中国を中心に広がり、しばらく混乱が続くことになった。

それにしても弾劾裁判にてボルトン前大統領補佐官(安全保障担当)の招致を蹴るほど共和党の結束は強く、結局、大方の予想通りトランプ大統領は無罪を勝ち取ることになりそうだ。これまでの同大統領の(相手国によっては先方の首脳を見くびったような態度やツイッターで閣僚をいきなり罷免するような)言動も外交スタンスも、当人はすべてがお墨付きを得たと受け止めるのだろう。まだ本選が控えるので多少手控えるのかも知れぬが、高圧的なスタンスはさらに強まりそうだ。FRBに対するプレッシャーもさらに強まりそうだ。

さて1月のISM(米供給管理協会)製造業景気指数は50.9と、前月の47.8(改定)から改善し、半年ぶりに判断の分かれ目となる50を上回った。市場予想は改善を見込んだものの50ポイント割れとなっていた。景況感を表すゆえに、米中が1月に署名した「第1段階」の通商合意が後押ししたとみられる。その後の新型肺炎や生産再開見通しが立たないボーイング737MAX問題などから、持続的に50超を維持できるかが問われることになる。米国株式市場は、さすがにナスダックの復元力は強く、下げたら下げたでFRBのサポートが期待できるだろうとの前提があるような展開となっている。NY金は、ネットロングの要塞の攻防戦に突入のイメージ。 

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