5月の連休に加えて最近では9月も大型連休の色合いが出てきて、人によっては遅めの夏休みや年休を合わせて9連休ということらしい。当方にはあまり関係ないが、それでも週中に祭日が入っていると外からの電話もなくゆっくり何かができる。
さてその連休モードの中で日銀の金融政策決定会合とFOMC(連邦公開市場委員会)が重なった。FOMCはこの環境では利上げは出来ないと思われ、後は12月に向けたスタンスをどう示すか。こちらは現実はどうあれ、方針としては引き上げをにらんだ線の表明になりそうだ。しかし、6月のFOMCのドッツ・チャートで引上げ年内1回との投票が増えていたことを考えると、それ以降の環境からは今回は“年内利上げなし”という参加者も出てきそうだ。
インフレが2%を上回って進行する確証が欲しいというならば、年内の引き上げはこの2ヵ月で指標がかなり上向かないと難しい。先週末のCPI(消費者物価指数)が予想より高めに出たということで、“いよいよ”というニュアンスで語る分析者もしるが、そもそもFRBが重視しているのはCPIでなくPCE(個人消費物価指数)のほうなので、こちらがどうなるか。
利上げの障害として挙げられていた海外要因は確かに表面的には落ち着いているが、EUにしてもこの2週間くらいの動きは、来年の流動化を暗示しているようにみえる。
NY金は、先週末は長期金利上昇、ドル高の中で(実際は、ドル高、ドル安といっても前日比でのことで、たいした動きはないが)売られ安値は1309.20ドルと9月2日の安値(1307.40ドル)に接近するところまであった。いま100日移動平均線が1308ドルに位置しているので、下値支持線として機能している。ブレイナードFRB理事が何を言おうが、小売売上高が5ヵ月ぶりにマイナスになろうが、先週の金は下げ、それをファンドの手仕舞いと書いて来たが、週末に発表されたCFTC(米商品先物取引委員会)のデータでは、実際に前週比で70トン程ネットのロング(買い建て)が減っていた。その後も取組は減少しているので、さらに軽くなっているのだろう。
“総括”などという花火を上げてしまった日銀は、どう始末をつけるのか、見もの。