3月1日のNY市場の金価格は、ISM製造業景況指数の結果とその市場の反応に振り回された印象の強い展開となった。伏線は、まず前日のシカゴ地区製造業購買担当者景況指数(PMI)。47.6と前月の55.6から大幅に下振れし、市場予想の53.0も下回ったたこと。しかも、時間外のアジアの時間帯に発表された2月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)も7ヵ月連続の50割れの49.0。前月の49.4から低下し市場予想の49.3も下回り2011年11月以来の低水準となったこともあり、“ISMもまた悪し”という予見の下で市場が展開していた。
結果は、50を割れたものの前月の48.2から49.5に上昇。市場予想の48.5を上回ることになった。2ヵ月連続で前月を上回ったことから、底打ちを指摘する見方も出てきている。たとえ50を下回っていたとしても市場はその改善という方向性を重視するもの。株式市場も債券市場もポジティブな結果として受け入れドルは買われた。
1240ドル台後半に位置していた金は、1227ドルどころまで20ドル近く落とされて、またまた振り出しに戻ることに。このところ1250所まで来ては、振い落されて1210ドル台あるいは1220ドル台に、そこからジリジリと這い上がっては落とされという展開が続いている。そうしているうちにチャートの形は三角保ち合いを形成という展開になりつつある。ドルインデックスは98ポイント台に乗ってきており、その中での(何回も書くが)金の底堅さが際立つ。金ETFの増加も止まらない。
株式市場など金融市場は戻りの時間帯に入ってきており、どこまで戻ることが出来るかが試されている。強気筋が指摘するように、年始からの金融市場の混乱は市場の悲観論が行き過ぎただけの話で、センチメントが正常化すれば何も問題なく、再び高値追いという単純なものではなかろう。米FRBも5年間にわたりばら撒いたドルを回収せずに放置しており、そこにECB、日銀が資金の追加投入をしているわけで、依然カネ余り環境は続いている。その余ったカネが矛先を循環的にドル買いや株式市場に戻している。この流れの中で売られるはずの金市場だが、かわらず資金流入が続いているのが、毛色がこれまでと違うところだ。
まもなくADP民間雇用データの発表。