レイバーデー(労働者の日)の3連休明け9月3日のNY市場は、株安のリスクオフ環境転じることになった。
名実ともに夏休み明けで取引が活発化するとともに、時に市場の流れが変わることも起きて来た9月第1週3連休明け後の市場。ダウ30種平均は連休入り前に最高値を更新したばかりだが、3日は前週末比626ドル、1.5%安の4万0936ドルで終了。ナスダック総合株指数は3.2%安、S&P500種平均株価は2.1%安と3指数ともに大幅安で取引を終了。
米製造業の景況感の低迷を示す経済指標が発表され、米経済の先行き不安が再燃したこと、さらにこの春にかけて盛んにはやされたAI投資だが、改めて収益への寄与には時間を要するとの見方が膨らみ、関連銘柄が過大評価への懸念から大きく売られたことが地合いを悪くした。言わずと知れたNvidia株の大幅続落が下げをリードした。
リスクオフで為替市場ではユーロを中心にドルが買われ、金市場ではアルゴリズム(コンピュータープログラム)のファンドの売りが先行した。
3日のNY金は、NY早朝の時間帯までは前週末比プラス圏で推移していた。NY時間に入り発表された8月のISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数が好不況の節目50を5カ月連続で下回ったことが判明し、その後株安が拡大する中で、下げ足を速めた。午前の中頃に株安の規模が8月上旬の大幅安を思わせたことから、ファンドと見られる売りに一時2504.40ドルと2500ドル割れを試すところまで下落。
この水準で売り買い交錯状態に。昼前には買い優勢に転じ、反発に転じ前日の引値水準に近いところまで値を戻して終了となった。NYコメックスの通常取引は、前週末比4.60ドル安の2523.00ドルで終了した。
8月上旬の米株式大幅下落の際に、利益の出ていた金は、現金捻出の対象となり売られた経緯がある。
4日のアジア市場は、株安連鎖状態となっている。
日経平均が前週末比4%超、1600円を超える下げとなったのがここまでのところ最大だが、アジア各市場から欧州市場に株安は連鎖している。その中で、NY金はアジア時間はしっかり2520ドル台を維持していたものの、ロンドン早朝あたりから売りが先行している。
おそらく押し目買いが入り2500ドル台は維持すると見られるが、本日のNY株の動向によっては2500ドル割れもありそうだ。ただし、その場合でも上昇トレンドには変化はないとみられる。
本日は7月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、17~18日の連邦公開市場委員会(FOMC)の基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される。求人件数については、6月の818万件から810万件に若干減少が予想されている。ベージュブックは、地域別の企業動向や雇用の動向が注目される。