亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NYダウ1万6000ドル突破と金価格

2013年11月19日 23時57分07秒 | 金市場
週明けの市場で先週末にかけて連続して過去最高値更新を見せていた米株式指数が続伸する一方で、イエレン効果が早くも剥がれるような形で金は反落となった。ハト派で知られるNY連銀のダドリー総裁が、NY市内の講演で「経済情勢の改善の可能性を示す初期の兆候がいくつか見られる」として、「成長が上向くにつれ、労働市場の状況は一層大幅に改善するとみている」とした。
18日はNY連銀のダドリー総裁以外にもフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が講演で、資産購入の金額を決める必要があるとし、「成り行きまかせの資産購入を続けて、信認を損なうことはできない、としている。

こうした意見から金市場内で導かれる見方は、当座は見送られたとしても、量的緩和策の縮小は早晩実行されるというもの。これが金市場における根強い捉え方で、上値の重い展開につながっている。一方で、株式市場の方は14日の公聴会でもイエレン副議長が「いまバブルにあらず」といった認識を表明したこともあり、連日の過去最高値更新に沸いている。

正直言ってここまで言い切ったことは意外感があった。結局、イエレン新体制もバーナンキ体制同様に株高による資産効果の動員も厭わず積極的に活用するのだろうということ。折しも足元は年末のクリスマス商戦が始まるタイミングではある。かつてQE2導入に際し後に株高の演出をも狙っていたことを明らかにしたバーナンキ議長だったが、まさにその路線の踏襲ということだろう。しかし、このことを逆に捉えれば株安を起こしたくないわけで、仮にこの先株式市場がバブルの様相を帯びたとしても、目をつむるということにつながるのではないかということ。

いずれ行き過ぎた株高の調整が始まった時には、景気にもマイナスの影響を与えることになるが、その場合にはFRBは更なる緩和策に向かわざるを得なくなるのではないか。そんなことが頭をよぎるイエレン副議長の発言だった。

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