ゴールド、シルバーともに押し目らしい押し目を付けなくなってきた。このところ上昇が目立つのはシルバーだが、値動きの良さに惹かれて短期筋が総参加という感じで、むしろシルバーの動きにゴールドが連動しているということがいえよう。ゴールドに例えれば、1日で50~70ドル程度に相当する動きになるのがシルバーではよくあることゆえに、どちらかというとプロ好みといえる。
月末に掛けてのタイミングを考えると、当然ながらFOMCが焦点となるが、来週末はイースター(復活祭)の休日が控える。経験則からはイースター明けに相場の流れに変化が出ることが多く、今回はそこにFOMCが重なることになる。ならば、その前に目先の総仕上げという感じでシルバーの上昇ピッチが速まるならば、来週は要注意ということになろうか。
昨夜はドイツのショイブレ財務相がギリシャの債務問題に関し、6月の監査で債務返済能力に疑問があると見なされれば債務減免を債権者と交渉しなければならなくなるとしたことが、結局材料になった。結局、ある程度の債務のカット(リストラ)という名の体のいいデフォルトが控えているであろうことは、皆感じているのでギリシャ債など13%もの利回りを見ている。
しかし、ソブリン・リスクという言葉も定着して1年以上経過したが、足元で米国までもが赤字削減を前面に出すのは政府債務上限接近に伴う政治的駆け引きということか。インフレだインフレだ、と言いながら年末には締めすぎてデフレ怖いになっていたりしてね。
以前も同じことがあってここにも書いたが、本日の中国のGDPほかインフレ率などのデータは、昨日午前の時点で香港のテレビ局フェニックスTV(鳳凰衛視)がネットで流したものと同じだった。正確には10項目中9項目が事前報道の通りだった。いろいろな面でかの国も途上にあるということ。
いずれにしても決して“吹かない”金の上昇が続いている。