亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

続落も1500ドル台維持のNY金

2019年09月09日 23時09分35秒 | 金市場
先週末発表された8月の米雇用統計は、(非農業部門の)就業者数の伸びは13万人と前月の15万9000人から減速し、市場予想の約16万人も下回った。感覚としては、先行して3日に発表されたISM製造業景況指数が3年ぶりに景気の拡大と縮小の節目となる50を割り込み注目されたが、細目の雇用指数も前月の51.7から47.4に大幅に低下して3年半ぶりの低水準となっていたので、ネガティブ・サプライズもありかと思っていたので、この数字は普通の線に収まったな・・・と。

小売業の雇用が7カ月連続で減少となったが、リーマンショック後2009年の景気後退期以来のことで警戒感が浮上。トランプ大統領がこだわる製造業も1~8月の増加数は月平均6000人と2018年の2万2000人から大幅に鈍化している。一般的に雇用の伸びはピークアウトし鈍化傾向を示しているといえる。しかし、就業希望者を吸収する10万人増の規模は安定的に維持しているということ。

一方、失業率は3.7%と3カ月連続で横ばいとなった。50年ぶりの低水準を維持して推移中で、米労働市場の力強さを示している。注目の平均時給の伸びも前月比0.4%増と前月の0.3%増から加速した。前年比では3,2%増と、13カ月間連続で3%以上の水準を維持しており、好調な個人消費を裏付ける結果となった。

この雇用統計の内容は、変わり映えしない結果といえるもので、先に書いたように好調ではあるもののピークアウト感も否めずということに。したがって、発表後に金は買われていた。その流れを遮ったのは、時差の関係で、その後のパウエルFRB議長の発言だった。来週17-18日のFOMCでの利下げ実施を示唆したものの、その後の連続的な利下げ意向には慎重なスタンスを示したと受け止められた。

今後の金融政策の方向は経済指標次第、と以前から言ってきており、展開としてはその通りなおだが、“予防的な利下げ”となると、どの程度の指標の悪化・減速が利下げ行動を促すのか、はなはだ曖昧なのは否めず。FRB内の意見の割れもあり、6日のFRB議長発言は想定通りといえるのではないかと思う。

続落とはなったものの、1500ドルは維持したのは一般的な反応といえた。


関東地方の皆さんは台風、大丈夫だったでしょうか。
発生から間を置かず、しかも勢力が衰えることなく首都圏を直撃した珍しい台風でした。
予想される風力から、これは大変だと今回は真剣に対策を取りました。
いつもは騒がれる割には、いわゆる“雨台風”というのが通り相場でしたが、今回は違うなと思い、実際にそうでした。
台風一過の夕焼け空の本日の東京



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