亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ETF,スクラップともに縮小、4-6月期需給データ

2009年08月19日 22時05分08秒 | 金市場
急騰を続けた上海株は明らかにカネ余り相場だが、逆に警戒感が高まり何かのタイミングで益出しの動きが出ると“我先に”という流れにつながり易い、そんな状況が起きている。そしてそれが連鎖的な手仕舞いの流れを作った。

さて日本時間の今夜、注目の四半期の金需給のデータが発表された。WGCが貴金属の調査で知られるGFMS(ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシィズ)に委託して行っているもので四半期の動向を把握するのに好適のデータといえる。すでに1-3月期のデータではこれまで例をみない需給の変化が見られていた。そのひとつが宝飾需要と(<)投資需要の逆転現象だった。1-3月期は金ETFの残高が3ヵ月で465トンも増える一方で「スクラップ」と呼ばれる「金製品の売り戻し」を中心とする一度は製品として加工されて世に出た金が回収されて市場に売り戻されたものが566トンとこれまた記録的な量に膨らんでいた。

果たして4-6月期の需給のデータはどうなったか。まずスクラップは前期(1-3月期)の566トンから334トンへと大きく減少。ただし前年同期(276トン)比では21%多い水準。この傾向が続くなら金市場の需給バランスも改善され需給も締まるということで反対側の需要項目とりわけ金ETFを見れば前期の465トンから57トンに急減速。つまり需要と供給両サイドの注目の項目(スクラップと投資需要)は、それぞれ減少し縮小均衡という状態になっていた。

その他でも公的売却が、4-6月期は一転して「公的購入」に転じる様相を示していたり、空港に金貨の自販機が登場し話題となったドイツでは、やや規模は落ちたものの引き続き高水準の投資用の金購入が続いていたりと興味深い内容となっている。まだざっと数値データを眺めたところなので、改めてどこかで原稿を興しましょう。

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