亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

火種の残るユーロ圏

2013年06月14日 23時57分14秒 | 金市場
さて動向が見ものとした13日のNY株式市場だったが、発表された注目指標が両方ともに良かったことから反発となりダウは180ドル高、S&Pその他も反発となった。連鎖株安をNYで食い止めることになった。流れを受けた日経225も反発に。

週間失業保険新規申請件数は置いておいて注目は小売売上高だった。5月の結果は、市場予想0.4%増に対し0.6%増と予想を上回る良好な結果となった。もともと年初の給与減税の廃止や政府の歳出削減の影響が心配されている状況の中ゆえ、消費支出が影響を受けずにいることが株式市場にはプラスとなる。ただし共和党の主張に沿った(米国政府の)財政緊縮策の影響はむしろ夏以降に(政府部門の人員縮小など)顕在化すると思われ予断は許さずといったところだ。

混乱の収拾が見えないトルコ情勢は、比較的落ち着いた国だっただけに宗教問題を国内に抱える国の難しさを思わせる。一時は日本国内の大手証券も「次はトルコ」と投信を売っていたと思うが・・・・。最近はインドネシアがいいと言っていたように思う。そのトルコの株式市場もこの騒ぎで大きく値を消している。いわゆるカントリーリスクという(忘れかけていた)言葉が復活する地合い。ちなみに、このところの新興国からの資金回収は、インドではルピー安を招き、ルピー建て国内金価格の上昇につながり買いを抑制するというふうに金市場に跳ね返る。

ギリシャでも混乱が再発しそうな雲行きになっている。EU(欧州連合)やIMFからの支援にともなった約束事となっていた国有資産売却が不調に終わり、対応を焦ったギリシャ政府が突如国営放送「ERT」を閉鎖するという、通常では考えられない動きに出たことが背景。今回、株式の世界では、MSCIと表記される株価指数の中でギリシャはリスク管理上「先進国」扱いから「新興国」のカテゴリーに引き下げされることになった


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2 コメント

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Unknown (fairlane)
2013-06-17 01:40:40
トルコは宗教問題と言うより、首相がかってのオスマントルコのスルタンのように独裁的に振る舞う事への反発のようですね。もうずいぶんと長期政権のようで。でも選挙で選ばれているのですが。都市住民と地方住民の対立と言ってもいいのかも知れませんね。
それより宗教問題が出てきているのがエジプトで、厳格な方が増えているそうで。
キリスト教徒が減少しているのに対して、イスラム教徒が増加しているので、近いうちに数では逆転するでしょう。
世界の中の日本である以上、日本人もイスラム教 キリスト教を理解して、彼らの生き方を尊重しないといけないように思えます 
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Unknown (亀井)
2013-06-18 00:09:17
宗教が絡むことで強権的になるのは、よくある話といえばよくある話だが、本末転倒という気がしますね。キリスト教でも宗派によって戒律に違いがあるが、イスラムは、そのあたりは厳しそう。
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