亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

乱反射、不規則な動きを繰り返す市場

2012年10月11日 22時20分22秒 | 金市場
さて10日発表の地区連銀経済報告書(ベージュブック)は、可もなく不可もなく、ここまでの延長線上にある内容だった。つまり米国経済は「緩やかに」拡大しているというもの。したがって、結果に対する注目度は低かった。材料にならなかったわけ。

それより注目を集めたのは、日本時間の本日早朝に発表された米格付け会社S&P(スタンダード&プアーズ)による、スペイン国債(長期債)の2段階格下げ。これまでの「BBB+」から「BBB-」にしたもので、同国の経済的・政治的リスクの増大を理由にした。ついにスペイン国債は、投資不適格級(ジャンク)のわずかに1段階上に位置することになった・・・・といっても既に同業のムーディーズ・インベスターズは同国債をジャンク一歩手前の水準に引き下げ済みで、後追いといえ一時は売られた(利回り上昇)ものの、その後はすぐに値を回復(利回り下落)という展開となった。欧州時間に入ってからは、むしろこれでスペイン政府による救済要請が早まるのではないかという思惑が先行し、買われる(利回り低下)という逆の流れに。
このところのマーケットは、まったくもって乱反射状態といえる。

こうして書いている内に米国の週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されたが、市場予想37万件のところ結果は33万9000件だった。先週末の失業率ほどではないがサプライズといえよう。この水準は約4年ぶりの低水準とのこと。昼間のアジアの時間帯から欧州へとジワジワと戻り基調にあった本日の金価格だが、この結果が伝えられた直後から10ドル幅の急落状態となっている。上に行きたがっている金市場だが、これでもか、これでもかと冷や水を掛けられるような状態。

相場の反応が乱反射といえば、最近の原油相場もそんな感じだ。不規則な値動きを繰り返している。米大統領選、ロムニー支持率上昇で俄かに混戦模様となってきた。いやはや。

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