昨夜の11月の米雇用統計の結果は既に報道されているように雇用者数は市場予想を超え、細かな点はいろいろ指摘できる部分もあるが、要はFRBによる12月の利上げを固める内容となった。利上げが十中八九確定となったことで、教科書的には売られる金だが、思った通り買い戻されることになった。
昨日ユーロ・ドルの上昇について書いたものと同じ流れ。そのまま引用すると「目先の材料通過でユーロ売りに傾いたポジションがいったん閉じられた(un-wind)という内部要因主導型の側面」が強そうだ」。要は“目先の材料出尽くし”で、この先を誰が売る??という状況が起きたもの。
すなわち利上げ観測を現実のものにする雇用統計の結果を受けて、売るはずの人々は既にここまでの展開の中で打ってしまっているわけで、売り手がいないとなるとショートを維持しておく合理的根拠が消えたことになる。後はカバー(手仕舞い買い)の競争による急騰状態。この流れでどこまで戻ることができるか。
この急騰という結果に対し、“利上げはしてもその後の利上げテンポは緩やかなると見られるから金市場には買いが入った”・・・と。かつてのように連続的な利上げは出来ないことは、以前から予想の範囲内のことであったし、現実にイエレン議長も夏前からそういう見方を示してきていたもの。まさに、後講釈。上昇は目先の材料出尽くしによるポジションの巻き戻しが作ったもの。
今回、おやっ!?と思ったのは、イエレン議長の発言に自身のインフレ見通しにやや修正が入ったのではないかと思わせる内容があったこと。シナリオの一つとして持っていたのだが、今回のFOMCでよりはっきりすると思われるが、そうであれば金の上値は高まることになりそうだ。