昨日ここに中国のインフレ率について「前年同月比4.6%と11月の5.1%からは低下となった。一応前月の数字は下回ったものの今年の上半期は上昇が予想されており、引き締めへの連想から欧米市場ではファンドの手仕舞い売りの誘因となる可能性が高い」としたのだが、その後取引が欧米市場に入り金は下げ足を速めることになった。
昨日はブラジルが半年ぶりに金利を0.5%上げて11.25%とした。金については、朝一で発表された米国の失業保険の新規申請件数のデータが改善を示したことも下げ加速のきっかけとなった。前週の44万1000件から40万4000件に減少し、市場予想の42万2000件を下回った。米国景気の回復期待を高める材料といえるが、ならば金以外の原油やプラチナなどが買われて不思議はないが、昨夜のNY市場では金のみならず銀、プラチナ、原油、銅と幅広く商品市場全体が売られたところを見ると中国の引き締め加速の方を嫌がったということ。そうした動きをブラジルの利上げも後押ししたかたち。
ところが、そのなかで穀物などは値を保ちむしろ上昇となったのが目を引いた。異常気象などの影響で穀物在庫の減少が伝えられており、商品市場も2極化の様相といえる。ちなみにこの日の金価格の下げは前日比で1.7%になるが、銀は前日比4.6%の下げとなっている。この値動きの荒さが銀の特徴でもある。この日の銀の下げは、金に例えるならば60ドル強の下げに匹敵する。
さて1350ドルを下回ったことで、週初めに書いたが次のメドは1320~1330ドルとなる。こうした一連の下げ局面が「買い」の機会と捉えている。