亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

1350ドル以下でETF20トン強

2011年01月24日 15時51分22秒 | 金市場

先週末は前週の名古屋に続き大阪本町でのセミナーだった。金市場の内部要因と取り巻く環境つまり外部要因について90分の話。プログラムの都合で5分ほどになった質疑応答は結果的に15分に伸びた。具体的な質問が多い。参加されている方に見覚えのある人は多い。もちろん何処の何方かわかりませんが。。。名古屋同様に手応えを感じながら話をさせてもらった。

 

さてその週末のNYも続落となった。引き続きファンドの手仕舞い売りに新規の売りも加わり金価格は一時昨年11月18日以来の水準となる1337.00ドルまで安値を見た。このところの金市場は、官民挙げての新興国需要の高まりに対し、売り手仕舞いは主に欧米系のファンドという構図。新興国が牽引するという点では世界経済の構図がそのまま投影されたという表現もできよう。

 

年始からリ・バランス(資産組み換え)のタイミングということを書いてきた。昨年30%の上昇を見た金ゆえに実際にファンドの手仕舞いにもそれは反映されていたろうし、ETFも減った。アジアを中心とした現物の買い引き合いが伝えられる中で、価格は急落、小反発、さらに急落という展開に節目となっていた1352ドルを下回りさらに売りが膨らんだ。この辺りはプログラム売買主導のコメックス主導の動きゆえに、下げが下げを呼ぶ。

 

現物の買い引き合いが旺盛であるのに何故下げるのか?それはレバレッジが利く先物市場の取引が力で勝るから。しかし、その先物市場の動きに持続性はない。今日明日どころか午前午後の方針転換もアリの世界。その週末、1350ドル割れの水準でETFの最大銘柄「SPDRゴールド・シェア」の残高が20トン強増えた。年始から19日迄で29トン強減っていた。価格水準が下がったところで入っただけに市場の注目度は高い。1日で20トン以上増えたのは昨年の6月3日以来のこと。

 

話は変るが、先日まで“次はポルトガル、正念場のスペイン戦” とされてきた当のスペインの財政赤字削減策が一定の効果を上げており発表が近いという話がある。

 


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