亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

思い描く方向(ストレス・テストの結果)

2009年05月09日 10時34分28秒 | トピック
いよいよ新型インフルエンザが日本上陸のよう。もともとこれだけ人の移動がある時代のことゆえ、水際での防御も無理で時間稼ぎという感じ。それでも心構えを醸成するという面で意味はあるかな?鎖国すれば、さらに時間は稼げるのだろうが・・。今週、中国語の新聞を見かけた際に「甲型流感」との見出しがあったので、「A型インフルエンザ」の意味なのだろうと納得したが、我らの感覚では漢字だけの国も大変だなぁ・・と。漢字に加えてひらがな、カタカナを使い分ける日本語は複雑だが、細かなニュアンスが伝わりやすいのではないか。B型は「乙型流感」と言うんだろうか?

インフルエンザ騒動というと、報道では成田もさぞかし大変なことになっているのだろうと覚悟していったが、何のことはない行きも帰りもスカスカで出国も入国も手続きに特に時間が掛かるということもなかった。移動の時間帯がたまたま良かったのだろうか。それでも脚立にカメラを担いだ報道関係者が結構いて、一様に混んだ映像を撮りたいのか行列が目立つスポットに皆集まっていたように見えた。連休は混むもの、そこにこのインフルエンザ騒動だからなおさら成田などは混雑に拍車が掛かり・・・・という「予定調和」のもと取材の準備が進められ、またそういう「絵」も欲しいということか。

予定調和といえば、ストレステストについて伝える本日の日経朝刊。3ページの総合面に昨年異例の人事?でワシントンに出られた滝田編集委員の署名記事があったが、その小見出しに「予定調和の結末」の表現。そうだよなぁ。安心感の醸成に腐心する金融当局。ほとんど問題ありません!では、そんなことナイだろう?基準を緩くしたのではないか?そういえば時価会計も緩和したし・・・と市場は納得しない。さりとて、IMFの指摘するような基準で金融機関を追いこみ過ぎても、これも問題。この場合、政府が積んでいる公的支援枠残り1300億ドルでは足りなくなり議会との困難な折衝が必要となる可能性もある。それでなくとも4月29日にはFRBの独断専行を防ぐということで、報告義務を強化した法案が米国議会を通過したという。まずは人心を治めるのが為政者の力量ということか。

先日、ある原稿に書いたのだが、ストレステストの結果よりも大事なものは、この後に続く予定の不良資産の切り離し(買い取り)がどう進むかだろう。ただし、どうぞ手を挙げてくださいというお膳立てがなされた(政府サイドがかなりリスクを取る)プランだけに、議会側が後で横槍を入れることを恐れる見方もあるのだそうな。確かにゲームのルールを途中でコロコロ変えたりしたもんなぁ。既にもらったボーナスに後追いで100%近い課税をしたりということもあった。その儲け、まかりならん!!と後追い課税法案成立、国民は喝采!などという可能性を応募する側もついつい考えてしまったりするのだろうか。

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2 コメント

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資本主義? (yoshy)
2009-05-09 17:49:21
自分で作った不良債券を隠し、巨額のボーナスと給与と、自家用ジェットを既得権で守ろうと、経営をそのためにさじ加減する経営者。それを承知で、その尻拭いを、税金でする政府と役人。アメリカの自由と正義と良心はどこにあるのか?
日本が、分かった顔で、教えたデフレ対策は、これか?世界が、日本型談合社会となっていく。
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出来レース (ささやか)
2009-05-10 00:57:30
最近景気の悪化スピ-ドに歯止めがかかってきたようなので、ストレステストの結果も無難に受け止められたのでは?環境次第ではとても安心感がでるような内容ではないように思えます。GOLDが下げそうで中々下がらない。その事が現状を映しているように思う。結局金価格は昨年の700ドル割れから今まで下値切り上げ、下がったら買われる持ち合い状況ですもの。
不良資産の評価が日本の危機の場合より格段に難しい作業のようですね。
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