亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金市場、指標発表を待ちきれない買い意欲の強さ

2016年03月04日 19時40分31秒 | 金市場

注目の米ISM非製造業景況指数。取り立てて悪いともいえない結果だったが、前月の53.5から53.4へわずかに低下。これで4ヵ月連続の低下という傾向を捉えるならば、マイナスのイメージは強い。さらに細目の雇用指数が前月の52.1から49.7の50割れになったこともあり。これらを手掛かりに3日のNY市場で金は発表後に買いが膨らんだ。

もっとも、注目指標ということもあって現地午前10時の発表前からジリジリと水準を切り上げていたことから、足元の市場の買い意欲の強さを感じさせる展開だった。昨日は、往来相場の中で三角保ち合い(トライアングル)形成中と書いたが、あっさりと上に跳ねる形になって年初来高値を更新。

本日現時点は日本時間の19時だが、ロンドンの時間帯にはやくも1270ドル台に乗せる買い先行の展開となっている。

今夜の雇用統計にしても、2月はドイツ銀問題やシェール・ガス大手チェサピークの信用不安など企業家マインドを委縮させる出来事があり金融市場も荒れたことから、市場のボラティリティの高さが企業を様子見にまわさせた可能性は否めず、仮にそうなら雇用者数の増加は下振れ、ということになる。これがサプライズだが、昨年10月に同じような環境で雇用者増加数が予想を大きく下回ったことがある。1270ドル台に乗せている金市場は、ISM非製造業の雇用指数が悪かったことに加え、こうした可能性を先取りした見切り発車的な動きか。

その通り“下振れ”すれば一段高で、相場は一気に過熱の領域に入ることになりそうだ。思惑外れれば、現時点かNY入り直前が本日の高値ということになるのかも知れぬ。もっとも、今回の雇用統計には賃金上昇という別の注目点もある。

さて、どうなるか。

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