亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

菱刈は宝の山

2012年10月09日 23時04分56秒 | 金市場
日本の金鉱山といえば、ここ。住友金属鉱山の菱刈鉱山(鹿児島県伊佐市)がそれ。本日のニュースリリースでは、「現在採掘中の鉱体の下部にも有望な鉱体が連続していることが確認されたため、今後この下部鉱体を新たに開発することを決定」ということらしい。「これまでの探鉱の結果から予想すると、この開発により金量約30 トンの獲得が期待されます」と。

「菱刈鉱山では、地下に温泉水が存在しており、この水位を下げる設備を海抜マイナス50メートルレベルに設置し、金鉱石の採掘を行っています。近年の探鉱の結果、現状の水位よりさらに下部にも有望な鉱体が連続していることが確認された」ということで、さらに下に掘ることに決めたということのようだ。

実は菱刈鉱山には過去に2度ほど切羽(きりは)と呼ばれる掘削の先端現場まで入れてもらったことがある。最初は今から21年前の1991年だった。トンネル状の斜坑を車で移動するというもので、当初イメージしていた“立て坑を下に降りる”というものではなかったので、それ自体が新鮮な驚きだった。地下に潜るのだから地熱で熱くなるのは想像がつくが、初めて潜ったときは(後の他の鉱山の経験などから)比較的浅い割には“暑い” と感じた。現場を案内してくれた人が切羽の近くの地面を触ってみなさいというので触ったら熱いので???この下に温泉が流れているんです・・・ということだった。本日のニュースリリースを読んで、その体験を思い出した。

菱刈鉱山は、最初に掘り始めた鉱脈に続き、新たな鉱脈が見つかり広がりを見せてきたが、今回さらに拡大ということになったということ。総額約32億円の投資となっているが、それで、純金量にして30トンの採掘が見込めるとのこと。30トンというと時価にして約1400億円になる。ムムムム・・・。

さて気を付けたいのは、こうした文字通り宝の山に便乗した鉱業権や鉱区に関連した偽の投資話すなわち詐欺の被害がこのところ伝えられていることだ。同社が、一般向けに投資案件を募っているということは一切なく、気を付けられたし。そもそも個人向けに採掘権やら、鉱山ビジネスへの直接投資案件などというのは、実態の確認しようがなく、すべて疑うべし。

本日は、午後遅くから東京・丸の内の日本工業倶楽部会館にて貴金属市場調査で知られるトムソン・ロイターGFMSのセミナーが開かれた(田中貴金属工業主催)。帰りがけに撮った夜のとばりが降りライトアップされた改築なった東京駅。




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1 コメント

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Unknown (老父の息子)
2012-10-10 15:27:39
さっそく便乗して住友金属鉱山の株価を見に行ったら・・・・
とうに上がってました。
最少単位でもATM支払では購入できないなぁ
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