亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ティーパーティーの逆襲

2014年06月12日 23時28分49秒 | 金市場

共和党が主導権を握る米下院のナンバー2のキャンター下院院内総務が、バージニア州の予備選挙で無名で資金力にも劣る候補に敗れたというニュースはまさにサプライズ。牙をむいた「ティーパーティー」ということか。

今年の2月に共和党主流派が民主党に歩み寄りの姿勢を示したことで連邦債務上限問題2015年3月まで先送りされ、財政上のリスク要因は下火になり強硬派で知られた「ティーパーティー (茶会)」の力もさすがに下火になったとされていた。ところが、今回の予備選はまさに歩み寄りを決めた下院議会指導部の有力議員を「ティーパーティー」の運動が、引きずり降ろしてしまったという点で、中間選挙に向け各地の予備選挙で他の議員も(ティーパーティーに)意識を向けざるを得なくなりそうだ。

下院院内総務の役職が設けられたのが1899年だそうで、それ以来現職の院内総務が再選を果たせなかったことは一度もなかったらしい。「ティーパーティー (茶会)」系のデービッド・ブラット候補は、選挙資金ではキャンター氏の50分の1。自家用ジェットで遊説していたキャンター氏に対しブラッド陣営は事務所要員は2名だったと。金融界では財政協議が再び紛糾することも考えられることから、「ティーパーティー (茶会)」が息を吹き返すことに対する警戒感は強いとされる。

さていま日本時間の12日23時過ぎだが、金がやや強含みの中でプラチナ、パラジウムともに大きく売られている。金についてはイラク情勢が緊迫化しており、地政学要因を映したものだろう。一方、PGM(プラチナ族メタル)は、南アの労使交渉がまとまるのではとの見方が流れているようだ。南アで第2次ズマ政権で新たに任命されたラマクロディ鉱物資源相が就任当初から戦力的に仲裁にあたっていたものの、今週月曜日にサジを投げるということがあった。スト長期でも際立った動きのなかったPGMだが、さすがに動きが出たのが今週だった。それはファンドの動きが活発化したことによる。そう考えると、今夜のPGMの急落は労使間交渉が妥結か否かは不明だが、投機的な動きが高まっているという証しであって、値が上下に振れることが多くなるのではないかと思う。つまり思惑で値が振れやすくなるということ。もともと金に比べて値動きの荒いのがPGMやシルバーではあるが。。







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1 コメント

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Unknown (fairlane)
2014-06-14 01:26:06
ティーパーティは海外派兵には反対ですよね。。 それがバクダッドの防衛すら怪しいこの時でさえ、決断できない原因の一つでしょうかね。

イラク ウクライナ 東シナ海。。。 
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