亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ユーロ高、金市場では誰も囃(ハヤ)さないがETF、ETF

2006年12月02日 17時46分13秒 | 金市場
出張を挟んで3日ばかり更新が滞ってしまった。気がつけば(付かなくとも)はや12月。暖冬だ暖冬だと思っていたが、やはり気温は下がってきた。近くの川沿いの桜の葉もかなり落ち、鴨が何羽も餌を求めて泳いでいる。時々鳴きながら水面すれすれで飛んだりする光景が見られ、これも冬の到来を示す例年の風景です。学生の頃は鴨など居なかったと思うけど、10年前くらいから見かけるようになった。
今週は為替相場が焦点になった。ユーロが強い。昨夜はついに1.33ドル台に乗せてきた。昨年3月以来の水準。ECB関係者が1.5ドル程度までは欧州経済は耐えられると発言したと伝えられているが、こうした話題が出ること自体が、まさにモメンタムにリードされつつある相場の様相ということ。最高値は2004年12月30日の1.3666ドル。このときは最後は何故買われるの???という感じだったと記憶している。そこで通貨先物(IMM)のポジションを見ればファンドの買い越しが11月28日時点で89,594枚と1週前の65,306枚から急増。8月11日に記録したユーロ発足以来の最高水準92,108枚に近いところまで来ている。

・・・とはいえ、ドル下落の背景は、今週発表された一連の米国景気の現状と先行きをみる指数が、予想値を下回るものが続いていたこと(要は予想以上に悪い)がある。ダウ30種平均という象徴性はあるが代表性のない株価指数の高値更新に目がくらんでいるうちに、足元の侵食が進んでいるというイメージ。バーナンキFRBがここまで示してきた強気の見通しが試される局面ということか。金価格はNYコメックスでは取引の中心が2月モノに移行しており、そちらは650ドル台に乗せているが、スポット価格は650ドルを前に利益確定の動きに抑えられている。週末ということもあり、ここで売りものが出るのは至極当たり前の話。それにしてもゴールドETFはコンスタントに増えている。NY、シンガポール相互上場の「streetTRACKS」だけで11月は約53トンも資産が増えた。「ほらね!」という展開だ。

そういえば昨日は、カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)の投資部門担当トップ、ラッセル・リードのインタビュー記事を目にしたが、エネルギーなど(いわゆる)商品分野には最大限65億ドルほど投じる計画という内容だった。以前ここでカルパースの方針は「はじめチョロチョロ」と書いたが、やはり様子を見ながら徐々にというスタンス。ここはトレンド・セッター(trend setter)なので、運用が上手くいけばマネをするところが続々というのが過去のパターン。

明日は寒くなりそう。

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