亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

(慌てるなかれ)金市場にはプラスのFOMC判断

2007年12月12日 14時47分04秒 | 金市場
FOMCの結果は報じられているように0.25%の今回はFFレートだけではなく公定歩合も合わせて引き下げた。これも報じられているように0.5%を期待する向きもあり、結果には失望感から現地午後2時15分の発表直後からNY株は急落。ダウは294ドル安に。全体としての市場の反応は、FRBは景気の減速をはっきりと認めた、さらに(前回10月31日と異なり)金融市場の悪化も認めた、信用収縮も認めた・・・・・なのに0.25%の利下げに止めたのはFRBの認識が甘く後手に回っているというもの。それが失望売りにつながった。ならば、株価もこのまま下げるのかというとそれは違う。昨夜の下げは期待を違えたことへの狼狽売りが狼狽売りを誘っただけで、テクニカルな面が強いと見られる。FRBが認識を改めた点が重要で、年明けの利下げも織り込みに掛ることになるので、金融緩和は続くことになる。したがって株価にはプラスということになる。

声明文発表までは堅調に推移していた金市場も一転して急落状態になったのは、株価の急落の流れで一緒に金も手仕舞った目先筋中心のファンドの売りによるもので、これも本格的な動きではないといえる。所詮、プログラム売買によるテクニカル要素の濃い売りものゆえトレンドを作るほどのこともない。むしろ金市場にとっては、昨夜の声明文は買いの材料ではないかと思う。なぜなら中央銀行が悪化を認めインフレ対応よりも緩和政策に傾いたことを示したと読めるからだ。要は売りたい向きが売りきったところで金は反転ということだろう。いつもの動きともいえるのではないか。前回は利下げに反対票を投じたカンザス・シティー連銀のホーニッグ総裁は今回は利下げに賛成し、ボストン連銀ローゼングレン総裁は0.5を主張し0.25の利下げに反対した。

今日から始まった米中戦略経済対話。米側はNo.1プライオリティの人民元切り上げ要求を後退させ、中国製品の安全問題を中心テーマにするという。この辺りにも足下の米国金融事情が影を落としているといえそうだ。


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4 コメント

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人民元切り上げ要求後退 (ささやか)
2007-12-12 16:01:46
人民元切り上げ要求後退なんですか。
人民元を切り上げると米国のインフレ要因になるのでは?と思っていました。中国だってまだ輸出競争力を失いたくないはず、両国ともインフレとのバランスが難しい状況が続きますね。
昨年末NYダウ1万2千ドルだった気がするのに、今下がったといっても1万3千ドル代半ば、マネーがイッパイ、行き場をさがしてる感じがします。
ただ、上下に振られやすい状況が続いている気がして私にはまだ買い時がよくわからないです。
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なぜユーロが下がったんでしょう (いつも拝見しております)
2007-12-12 17:52:03
お疲れさまです。

結局昨日はおかしな動きで引け際のポジ縮小で今日は全部損切りして終始様子見でした。それにしても、気にかかるのは利下げでもなくても買われるような話だったのに下がったのはなぜなんだろうと思っています。それと、なぜか利下げ発表と同時にユーロが売られたのは気になりました。ささやか様の仰るとおり、行き場のないマネーが動いているのかもと思うと乱手になる可能性もあり少し様子見と思っています。閉店でも少量の場勘みがきにと思ってますが、本当に難しい展開だと思います。天井圏の動きでなければいいのですが・・・
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主要国中銀協調(日銀除く) (いつも拝見しております)
2007-12-13 13:29:08
お疲れさまです。

う~む。とりあえず、ポジションは無くした方がいいのではと思ってます。正月を無事に迎えられたらポジション組むくらいじゃないと吹っ飛ばされるかも・・・
それにしても、日本のバブル崩壊は株式崩壊後の不動産市場崩壊でした。アメリカはその逆ですが、これは海外からの資本流入が急激に縮小しないためだと思いますが、この違いがこれ以降どのように影響するのか見物です。
日本の金融機関に第3者割り当て増資などの話もあるようですが出るにはまだ早く危険すぎる気がします。ただ、はじけたら大変なことになるような気がします。
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荒いですね ()
2007-12-13 18:36:43
荒海に小舟で漕ぎ出すよりも、ここは岬の丘に上り俯瞰するのも一法かと。
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