亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

秩序だったドル安は望むところ

2007年07月03日 13時55分11秒 | 金市場
金市場の話から。昨夜のロンドン、NYの時間帯は時間の経過とともに買い上げられ、結局NYの午前の時間帯がピークになった。英国でのテロ未遂から7月4日の米独立記念日をターゲットにするとの見方が浮上したことから確かに地政学的要因はあるものの、昨夜の上げは、もっぱらドル安に負うところ大といえる。その象徴がポンド・ドルが26年ぶりの高値というもの。ドルからすれば26年ぶりの安値まで売り叩かれているわけだが、ユーロも急速に値を戻しており日本円さえドルに対し大幅高になるありさま。さらに原油が続伸で71ドル台の引け。さすがに70ドルを超えてくると海外市場では原油とドルの比価などという話が出て、原油の10倍が適正金価格なる見方もあり、そうなると650ドル台は割安という話も出てくる。それでも665ドルを抜くところまで、かなりのエネルギーが必要。650~680のレンジ相場に復帰ということか。昨夜は米長期金利が5%割れを見たこともプラスとして働いた。NYダウも126ドル高。

けさ改めて豪ドル、カナダドルはじめ高金利通貨と呼ばれてきたものの対円のチャートを見てみたが、かつて証券会社(あるいは銀行)主導とはいえこれら通貨の債券(もっぱら国債)を買っていた人はかなりの利益が出ているなぁ・・・と。これじゃ、追加の資金も出るワイと思う反面、いや待てよ、もしかしてこれら債券はとっくに利食い売りを勧められ“投信に変身”しており、勧められて買った人の大半は既に手放している可能性が高いのでは?とも・・・・。いずれにしてもドル安が進んでいるわけで、米国企業にとってはウェルカムだろう。このドル安は米系輸出企業の業績を支え、貿易収支の改善に効用がある。結局、急落さえしなければ全体で米国景気のソフトランディングをサポートしているということ。教科書的な変動相場制の効用のような話。穏やかに進むぶんには歓迎ということ。

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1 コメント

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通貨のレート (ノリック)
2007-07-04 23:48:56
自国の通貨は、基本的に強い方が良いと思いますが、実態と合わないレートであると、輸出企業の収益が減ったり、生産拠点が海外に逃げて産業の空洞化を招いたりして、困った事にもなります。





しかも、今の日本はデフレから完全に脱却しておらず、過度な円高が進めば、輸入品も下がり、デフレになる可能性すらあり経済や景気にもマイナスだと思います。





私は、今は、円安を望んでいますが、やがて日本の構造的な問題から、円安が更に進みインフレが加速したりして国民生活・経済が苦境になって行くのも心配ですね。





緩やかな円安が良いかなとも、思ったりします。



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